人生初の海外一人旅、そして部屋を借りての一人暮らしを経験したカナダのワーキングホリデーのエピソード。言葉も文化も風景も違う国での生活は、何もかもが珍しく、自分の感性を大いに刺激してくれた。大陸横断中に見たオーロラは忘れられない。
「なんでも一人でやってみよう」と心に決めて降り立ったカナダ。新聞の「For rent」を見て部屋を借り、電話を引き、半年ほどこの家の一部屋に住んでいた。
現地主催のカナディアンロッキーを巡る2週間のキャンピングツアーに参加した。世界各国からの参加者との生活を生まれて初めて体験し、いろいろなことを学んだ。
バンクーバーのランドマークからの眺めは、カナダの広大さを実感できる。帰国まであとわずかだったこの時期、心に刻み付けておきたい景色になった。
カナダの雲に音をつけるなら「モクモク」というのがぴったりだ。手を伸ばせば届きそうなくらい近くにある。青い空に白い雲は、まるで絵のようだった。
ヒッチハイクで乗せてもらった車で港から町まで行く途中に出会った野性の鹿。ピンと耳をたて、注意深くこちらの様子を伺っていた。
長距離バスを使いカナダ横断の一人旅。カナディアンロッキーより東は大平原が広がっている。地平線に沈む夕陽、夜空に揺らめくオーロラ…何もないように見えて実は宝の山。
バンクーバーアイランドはカナダの原住民が多く住む島。そして島最大の町ビクトリアにはいたるところに花が咲き誇っている。
カナダ原住民の象徴トーテムポールは、威風堂々と青空に向かって立っている。種族によってその形状は違うが、どれも自信と誇りに溢れていた。
小さなシュメイナスの町は、それ全体が美術館。完成度の高い壁画があちこちに点在している。壁の向こうの世界に吸い込まれそうだ。
港町の市場には、新鮮な魚介類から果物、野菜などなんでもそろっている。名物のフィッシュアンドチップスは、ひとりじゃ食べきれないほどてんこ盛り。
一番長く住んでいたエドモントンでは、アルバイトを見つけ、地元の移民が学ぶ学校も探し通っていた。この道は、通学や買い物に行くとき何度となく歩いた懐かしい場所。
カナディアンロッキーの風景は、色彩が濃く、コントラストが高い。湖は鏡のように澄み渡り、写りこむ世界を詳細に描き出していた。