大町温泉と信濃大町旅行記#1
白銀の北アルプスの絶景と立山プリンスホテル
2014年12月。北アルプスの麓の大町温泉と信濃大町の旅行記。大町山岳博物館や鷹狩山山頂から白銀の北アルプスの絶景を堪能。鷹狩山は冬季は除雪されないため、膝丈ほどの積雪をラッセルして登った。宿泊は露天風呂が自慢の立山プリンスホテルに2連泊。近くに薬師の湯などもあるので湯巡りも楽しめる。
1日目:新宿~大町温泉
新宿から北アルプスの麓へ
一年を締めくくる旅行として、信濃大町の大町温泉に行ってきました。いつもの通り、往復のバスとホテルだけついた2泊3日のフリープランを利用。今回の宿泊は、北アルプスの麓にある大町温泉郷 立山プリンスホテルです。
新宿を9時半に出発し、見事な青空に映える八ヶ岳や諏訪湖などを眺めながら進みます。
北アルプスを背景にした安曇野ICを下り、スイス村というドライブインでランチタイム。この一帯からは北アルプスの絶景が目の前に一望できます。
そのスイス村の中にある味処安曇野で、名物だという山賊焼きをいただきました。味がしっかりとついてボリューム満点なので、お腹が空いている時にはちょうどいい。
1時間ほど休憩してから出発。まず、穂高温泉郷 ホテルアンビエント安曇野に寄り、ここに宿泊するお客さんを降ろしてから私たちのホテルへ向かいます。
のどかな風景の中をしばらく進むと、やがて山道に。ホテルアンビエント安曇野は山の上にあるのですが、標高を上げるにつれ積雪が増えていきました。ホテル周辺は一面銀世界。
ホテルでお客さんを降ろし、再び山を下り信濃大町を通って大町温泉まで1時間ほど。近づくにつれぐんぐん北アルプスが迫ってきます。大町温泉街に入るとこちらもたくさんの雪が積もっていました。町の人たちが雪かきをしていましたが、歩道は雪に埋もれて歩けそうもありません。そのせいか、人もほとんど見かけず静かな温泉郷という印象。
新宿から休憩込みで6時間少々、すぐ目の前に北アルプスが聳える大町温泉のホテルに到着しました。
立山プリンスホテルと大町温泉街
立山プリンスホテルの入り口にはお正月飾りが置かれ、ロビーは広くて綺麗。しかし、部屋のドアは古い団地のようで窓からの眺めもイマイチ。恐らく団体向けのお手ごろ価格の部屋なのでしょう。
部屋に荷物を置いて、周辺を散策してみることにしました。ホテルからさらに山の方へ行くと、途中に星野リゾートが出現。裏磐梯の星野リゾートにも宿泊しましたが、他の星野リゾートも体験してみたい。
さらに奥へ進むと行き止まりに泉嶽寺という小さなお寺が建っていました。雪に埋もれていい雰囲気を醸し出しています。
その脇には広い広場があり膝丈以上の雪が積もっています。広場の入り口には雪だるまがいて、このエリアは雪遊びができる場所らしい。
その雪原の向こうには夕暮れに迫った空に北アルプスの姿が見えました。
雪に埋もれながら辺りを少し歩き回り、今度は中心街の方へ行ってみることに。途中で山の方を振り返ると、山頂が太陽に照らされ輝いていました。
ホテルを通り抜け、そのまままっすぐいくとバス停やお店が並ぶ中心地です。
この周辺には、薬師の湯という立ち寄り専門の温泉施設や、観光案内所、酒の博物館などもあり、薬師の湯にはスキー帰りらしい人たちがたくさんいました。大町温泉郷からは鹿島槍スキー場や爺ヶ岳スキー場が近いらしく、往復するバスも運行されているようです。
日が暮れて寒くなってきたので、酒屋さんで地元のワインと、酒の博物館で地酒を買いホテルへ戻りました。
立山プリンスホテルの温泉と夕食
ホテルに戻って温泉に入りに行きました。
天然温泉ですが、消毒しているということで、その薬剤の匂いもちょっと残念。どうもあの匂いをかぐと、温泉というよりも温水プールに感じてしまう・・。万座温泉や草津温泉、奥塩原元湯温泉、奥日光元湯温泉などに比べると、ちょっと満足度が低いかな。
しかし、大きな内湯と併設されている露天、さらにもうひとつ別の露天風呂があるので、この時はあまり人もいなく、ゆったりと入ることができました。
お風呂のあとは夕食です。てっきりバイキングかと思ったのですが、一人ひとりセットされた温泉宿らしい料理。ひと手間かけられたものが多く、品数もたくさんありとても満足できました。
夕食が終わって部屋に戻ると布団が敷かれていたのですが、これがしっかりとした分厚いマットレスにふかふかの掛け布団。とても寝心地が良く、おかげでホカホカと温かくぐっすり眠ることができました。
2日目:大町温泉~大町山岳博物館~鷹狩山山頂
大町温泉の観光案内所から山岳博物館へ
今日は朝からいい天気。写真を撮りに出かけるので、バイキングの朝食をしっかりいただきます。
8時50分ホテルを出発。ホテルのある大町温泉は山の麓にあり、北アルプスを一望するにはちょっと近すぎます。そこで、どこかいい写真ポイントがないかどうか、観光案内所で聞いてみることにしました。
建物に入ると、いかにも地元を知っていますというようなおじ様が二人いて、私の質問にいろいろと丁寧に教えてくれました。そして、山岳博物館からの景色がお勧めだという情報をゲット(地元の人は山岳博物館のことを「さんぱく」と呼んでいた)。
大町温泉から博物館のある信濃大町までは路線バスもありますが、この時期は日に3本しかないので、7時26分のを逃すとお昼過ぎまでありません。そのため、午後になると雲が出てくるかもしれないので、今のうちにタクシーで行くことにしました。
近くにタクシー乗り場もありますが、親切にも観光案内所まで呼んでくれるとのこと。タクシーがくるまでの間、このあたりのことをいろいろと聞かせてくれました。とても親切に対応してくれるので、大町温泉に行かれた際は、立ち寄ってみるといいかもしれません。
ほどなく人のよさそうな運転手さんのタクシーが到着。案内所のおじさんたちにお別れして乗り込みます。山岳博物館で山を見るのだと言うと、運転手さん曰く、この時期は例年だと雪もまだこんなに降ることもなく、真っ白になった北アルプスを今日のように白馬まで綺麗に見えるのは珍しいとのこと。確かに大町温泉から離れるにつれ、白い山脈が雲にどこも隠れることなく広がってきます。
テンションも上がりまくった頃、山の中腹にある山岳博物館に到着(案内所からここまで2800円ほど)。まったく見事としかいいようのない絶景パノラマが飛び込んできました。
大町山岳博物館から北アルプスの絶景
山岳博物館の建物の前にちょっとした広場があり、そこが屋外の展望台になっています。
麓には信濃大町の町が広がり、その向こう側にドーーーンと北アルプスが鎮座。その迫力もさることながら、信濃大町ってどんなロケーションにあるんだという羨ましい気持ちにもなりました。
次に、博物館の3階にも展望台があると聞いていたのでそちらに行ってみることに。この博物館は日本初の山岳博物館で、設立が1951年という歴史ある施設です。沿革によると、皇族の方々やエベレスト初登頂者のエドモンド・ヒラリーも来館しているらしい。
入り口で観覧料400円を支払い、まずは展望台へ直行。2014年にリニューアルオープンしたということで、館内はとても綺麗です。エレベーターを降りると、壁一面の窓から白い山脈が見渡せました。窓の一角には写真を撮るために開けられる箇所があるので、そこから思う存分撮影することができます。私が行った時は他にお客さんが誰もいなかったので気兼ねなく撮ることができました。
博物館の裏手にはニホンカモシカを飼育している動物園があり、館内からもちょっとのぞけるようになっています。最初そうとは知らずに小窓から見てみると、犬か狼のような動物が歩いているように見えたのですが、アレがニホンカモシカだったらしい。
けっこうな時間を展望台で過ごし、あとは館内の見学へ。2階は化石やこのあたりの野生動物の展示、1階は山での暮らしや登山の歴史などの展示があり、中にはエベレストを初登頂したときの装備やウェアなどもありました。エベレストは私も実際に見ているので感慨もひとしお。私が行った時は閉まっていましたが、「もるげんろーと」というカフェもあるので山の景色を見ながらお茶をするのもいいと思います。