裏磐梯旅行記#1
紅葉の五色沼湖沼群の絶景スポットと日本百名山の磐梯山トレッキング
2016年10月。福島の人気の景勝地「五色沼」と日本百名山「磐梯山」のトレッキングと、桧原湖畔に建つ「裏磐梯レイクリゾート」の滞在記。裏磐梯に点在する五色沼は、青や緑の水の色が美しい湖沼群で10月中旬から始まる紅葉がとても鮮やか。3連泊した裏磐梯レイクリゾートでは、最上階のデラックスツインと赤褐色の温泉を堪能。磐梯山のトレッキングは、八方台登山口からスタートし中ノ湯経由で山頂まで目指したが、天候不良のため途中で断念。しかし、すばらしい紅葉が見られた。
1日目:東京~裏磐梯
東京から公共交通機関を利用して福島県の裏磐梯まで行く方法
10月中旬、久しぶりに両親と3人で泊りがけの旅行に出発。3泊4日で、磐梯山や五色沼が美しい福島県の裏磐梯に向かいます。宿泊は三泊とも桧原湖畔に建つ「裏磐梯レイクリゾート 本館 五色の森(旧:裏磐梯猫魔ホテル)」。
往復の交通と宿だけがセットになったフリーツアーを利用したのですが、今回は両親の希望もあり、ちょっと高めな新幹線で行くプラン。(いつもは安いバスツアーを愛用)
集合は東京駅でツアーごとに受付をしますが、ここでチケットをもらい解散ではなく、途中の郡山まで添乗員さんがついてきてくれるとのこと。東京駅から各自で現場(裏磐梯)に向かうものだと思っていたのでちょっとびっくりです。
時間になり、みんな揃って団体用の入り口から新幹線のホームへ。12時12分発の東北新幹線やまびこ209号に発車時間ギリギリで乗り込みます。途中の駅からも乗ってきて、この車両のほぼ全てが、同じ旅行会社のお客さんで占められていました。やっぱりこの時期の裏磐梯方面は人気のようですね~。
もうお昼だったので車内販売でお弁当を買いましたが、種類も少なくイマイチだったので、駅弁は駅構内で好きなものを買ったほうがいいです。今回は、私は牛タン弁当にしてみましたが、見た目にもなんだか寂しい。。父が買った幕の内弁当が一番当たりだったかも。
13時48分、お腹も満たしちょっとゆっくりしていたらあっという間に郡山に到着。東京からほんの1時間半ほどとは、やっぱり新幹線って早い!添乗員さんや他のお客さん達とも下車後に別れ、郡山からそれぞれ目的の場所に向かいます。
私たちは、ここからさらにJR磐越西線に乗り換え猪苗代駅まで。待ち時間を潰し、14時54分の電車に乗り込むと、連休最終日のお昼過ぎにも関わらずけっこうな混雑振りでした。3人ともなんとか座れましたが、ここで席を確保できないと猪苗代までの44分は、高齢者にはちょっと辛いかも。
15時38分に猪苗代駅に着くと多くの人が下車。改札を出ると、次は迎えに来てくれたホテルの送迎バスに乗り換えです。同じツアーの人は十数名でしたが、大型バスで来てくれたのでゆったりと座れました。
私たちは送迎バスに乗りましたが、猪苗代駅から磐梯東都バスでも裏磐梯へ行くことができます。また、郡山駅からは高速バスも出ているらしい。
ホテルまでは30分ほどですが、運転手さんが色々とガイドをしながら走ってくれたので楽しい道のりとなりました。そのガイドの中で、磐梯山の標高について説明があったのですが、「以前は1819mだったが、その後2010年10月に測りなおしたら1816mだった」ということで、現在では1816mが公式になっているそう。磐梯山の案内板などには、まだ1819mのままになっているのもあるとのことです。
16時半、その磐梯山の表側からぐるりと裏に回りホテルに到着。ホテルの敷地からは、磐梯山の姿が綺麗に見えました。
【東京から裏磐梯までの行き方の一例】
東京-(東北新幹線:1時間36分)→郡山-(JR磐越西線:44分)→猪苗代-(磐梯東都バス:30分)→裏磐梯
乗車時間:2時間50分(乗り継ぎ時間は除く)
桧原湖畔に建つ「裏磐梯レイクリゾート」のデラックスツイン
今日から3連泊する「裏磐梯レイクリゾート 本館 五色の森(旧:裏磐梯猫魔ホテル)」は、桧原湖畔に建つ絶好のロケーションで、裏磐梯の見所のひとつ「五色沼」へも徒歩数分で行くことができます。
このホテルは、去年の10月にリニューアルオープンしたのですが、その前は「星野リゾート裏磐梯ホテル」でした。実は、「星野リゾート」時代にも泊まりに来たことがあるのですが、そのときよりも今回の方がかなり好印象。詳しいレポートはこの後書いていきますが、とても満足できる滞在となりました。
さて、ホテルに到着してロビーに入ると、ハロウィンの装飾がされていました。そこでホテル側からの説明を聞いて部屋へ向かいます。
今回割り当てられたのは5階の最上階にある前室付のデラックスツイン!いつも愛用しているバスのフリーツアーだとあまりいい部屋はくれないので、これはかなりうれしい采配!
ルンルン気分で部屋に入ると、これまた広々とした空間でさらにテンションアップ。今回は3人なので、一人は前室にあるエキストラベッドなのですが、サイズは小ぶりなものの折り畳みとかソファベッドとかではなく、ちゃんとしたベッドで申し分ない。その隣のメインの部屋に二つのベッドと、そこから続いているリビング的な一角にゆったりとしたソファセットがあり、なんとも贅沢な間取りです。
窓からは吾妻の山並みも見え、ここに三連泊できることにみんな大喜びでした。洋室だと部屋のほとんどがベッドに占領されるということも多いですが、この部屋では、みんなが集まって座れる場所があり色々話しもできてよかったです。
荷物を置いて、ちょっとホテルの周辺を散歩してみることに。五色沼と桧原湖の端っこに行ってみましたが、もう夕暮れも近くけっこう冷えてきたので早々に帰還。
ホテルのロビーにサービスで置いてある温かいお茶があったので一杯いただき、フロントの脇にあるお土産屋さんを覗いてみました。以前に来たときはちょっと暗いスペースでしたが、今ではすっかりおしゃれな空間に変わり、お店の一角にはアクティビティコーナーと、さらに奥にはギャラリーも併設されていました。品揃えも多く地元の野菜や工芸品などもあり、見ているだけでも楽しめます。
このホテルには他にも楽しい場所があるので、後で探検しに行ったときにご紹介します。
「裏磐梯レイクリゾート」の夕食
色々見ていたら夕食の時間が近づいてきたので、1階のバイキングレストラン「ヒバラダイニング」へ。今回のプランは朝夕の二食付で何れもバイキングです。受付で席の番号が書かれたカードをもらい指定された場所に行きますが、一日目の今夜は、角の独立した席だったので落ち着きました。
席にカードを置いたら、さっそく料理を取りに行きます。和洋45種類のたくさんの料理が並べられ、バイキングの醍醐味を十分味わえる内容。カウンターキッチンでは、作りたてのローストビーフや天ぷら、お寿司、ラーメンが提供され、切りたて、揚げたての料理がいただけます。他にも、週替わりのシェフの一品料理や、個人的にお気に入りだった温野菜のチーズフォンデュ、各種デザートなど、品数、味共にかなり満足できました。
また、福島県産黒毛和牛ステーキもオプションで頼めるので、みんなでシェアしてみるのもいいかも。
赤褐色をした「裏磐梯レイクリゾート」の温泉
夕食後、一息ついた後はお待ちかねの温泉へ。部屋には人数分のカゴが置いてあり、その中にタオルや着替えを入れて持ち運びができるようになっています。また、「スリッパキープ君」なるクリップもついていて、他のお客さんのスリッパと間違えないようにする気配りも。カゴのサイズが大きいので全部ひとまとめにできとても便利でした。
お風呂は一階のロビーの奥にあり、男女とも、内湯「オーロラの湯」と露天風呂「ひばらみの湯」が各ひとつずつ。内湯はかなり広く、洗い場もたくさんあるので、けっこうな人数が入ってもそれほど窮屈な感じはしないと思います。
ホテルのお風呂の自慢は、立地をいかした「桧原湖ビュー」で、明るい時間帯なら木々の間から湖を見ることができます。時には野生動物も姿を現し、私が入っていたときはイタチっぽいのが湯船の向こうの森の中を通り過ぎていきました。
源泉は、ホテル内から自噴する天然温泉「湯平山源泉(猫魔温泉)」で赤褐色をしたお湯。効能としては、神経痛、筋肉痛、胃腸機能の低下、五十肩、皮膚乾燥症、自律神経不安定症等があげられていました。日帰り入浴も受け入れているので、五色沼に来た際に立ち寄ってみてはいかがでしょう。
→お風呂の様子は裏磐梯レイクリゾート 本館 五色の森(旧:裏磐梯猫魔ホテル)をご覧ください。
2日目:裏磐梯
朝もやの煙る五色沼の早朝散歩
朝7時すぎ、部屋の窓から外を覗くと、五色沼の辺りに朝もやが発生しているのが見えました。これはいい写真が撮れるかもしれないと急いで出かける支度をし、父と一緒に出発。
まだ人のいないロビーを出て五色沼の入口にある柳沼に着くと、思ったとおり鏡のような湖面にうっすらと靄が流れていて、なんとも神秘的な美しさ!起きてからまだ30分もしていないのにすっかり眠気も覚め、意気揚々と撮影開始です。まわりには私たち以外には誰もいなかったので、好きな場所で好きなだけ撮ることができました。
柳沼の後は、熊鈴をガンガン鳴らしながら奥へと進み、母沼、青沼へと向かいます。「裏磐梯高原駅」の方から歩いた場合、青沼が見えてくると沼の湖畔に下りる脇道が左側にあるので入ってみましょう。そこにはベンチも設置され、座りながらゆっくりと鑑賞することができます。
青沼の次は るり沼ですが、展望ポイントへの脇道に気付かず通り過ぎてしまう人が多い場所。脇道への手前には、小川にかかる小さな板張りの橋があるのでそれを目印に、「五色沼入口」から来た場合は正面に、「裏磐梯高原駅」から来た場合は右側に入って行きましょう。小川の上流に向かってちょっと斜面を上るとベンチがあり、そこから瑠璃沼とその向こうに聳える磐梯山の姿を見ることができます。
しばらく森の中歩き弁天沼まで向かいます。弁天沼の脇には展望台が設置されているのですが、正面に吾妻の山並みが綺麗に見える絶景ポイント。水面を漂う朝もやがだいぶ薄くなってしまい、これはあと30分は早く来るべきだったと後悔しましたが、それでも早朝の静かな五色沼の景色が見られて大満足です。
帰りも弁天沼から同じ道を戻っていきますが、太陽の位置が少し高くなり、先ほどとはまた沼の色が違って見えました。
その後、ホテルのロビーで母と待ち合わせしてそのまま朝食会場へ。朝は自由席ということで空いている場所に席を確保します。朝食の種類もいろいろあり、まるごとトマトやきゅうりなど野菜もたっぷりでした。
森の中に点在する色とりどりの湖沼が見られる「五色沼自然探勝路」
五色沼を巡る「五色沼自然探勝路」は、約3.6キロの距離で歩くだけなら1時間ちょっとで反対側まで行くことができます。道もなだらかなので、散歩が好きなら誰でも楽しめる道。
コースの入り口近くにはバス停があり、私たちがスタートする側が「裏磐梯高原駅」、反対のビジターセンターがある方が「五色沼入口」となっています。両方の場所はバスで行き来できるので、片道を歩いて片道はバスを利用することも可能。本数があまりないので、事前に時間を確認しておきましょう。「裏磐梯高原駅」の方が少し標高が高いので、こちらからスタートする方が若干ラク。両側とも駐車場完備なので、車も停められます。
コースの途中にはトイレも水場もないので、入口にある物産館などで準備しておきましょう。コース内にはベンチもありますが、数が少ないのでシーズン中だと座れるかどうかわかりません。なので、食事は散策が終わってからどちらかの入り口周辺で食べるのがいいかも。
さて、ホテルの朝食後は、今度は両親と私の三人で歩きます。五色沼に初めて訪れた母は、スタート地点の柳沼から「きれい!きれい!」と大興奮で、だいぶ操作も慣れてきた自分のスマホでしきりに写真を撮っていました。
気持ちの良い森の中を進み、やがて青沼が見えてくると、その鮮やかな青色にまた大喜び。朝来た時より日の当たり方が変わってきたので、また少し色が違って見えます。こんな調子で、るり沼、弁天沼と両親のペースに合わせてのんびり歩いていきました。
スタートしてから50分、弁天沼の展望台を過ぎたところにあるベンチで一休み。ここは散策路の中でも景色がいいのでおすすめの休憩ポイントです。
弁天沼を過ぎるとベンチのある小さな渓流の先に竜沼があるのですが、木々に隠れてあまりよく見えないのでそのままみどろ(深泥)沼へ。この沼は、三色の水の色で構成されとてもカラフル。見る位置や角度によって様々な顔みせてくれる表情豊かな沼です。
つづいて赤沼が登場。赤沼の水の色は緑ですが、周りの草木が赤く染まっていることからこの名がついたとか。
赤沼から少し歩くと、まもなく毘沙門沼のはしっこが見えてきます。毘沙門沼は五色沼の中でも一番大きく、唯一ボートも乗れる場所。一気に観光地色が強くなり、これまでの神秘的な感じは薄れてきますが、磐梯山もよく見えるため写真スポットとしても有名です。
しばらく湖畔の道を歩いていくと、鯉がたくさんいるポイントがあります。この沼には、体にハートのマークがある鯉が泳いでいて、それを見つけると幸せになるらしいのでぜひ探してみてください。
さらに進むと、沼のほとりに展望台が設置されて、毘沙門沼越しに磐梯山が綺麗に見えます。
五色沼の反対側に着いたのは、スタートして約2時間後。沼を見渡せる広場があり、この辺りだけなら足元も整備されているので、ヒールとかでも十分歩けます。そのため、毘沙門沼だけ観光して帰る人も多そう。
近くのお土産屋さんなどで食事もできますが、まだそんなにお腹が空いていなかったので、ちょっと休憩して裏磐梯ビジターセンターへ向かいました。ビジターセンターは、ここから歩いて数分、坂を下ったところにあります。残念ながらこの日は休館日だったので中には入れませんでしたが、とても立派な案内所なのでぜひ立ち寄ってみてください。
五色沼入口のバス停は、ビジターセンター前の駐車場の反対側にありますが、まだ出発までの時間があったので、諸橋近代美術館まで行ってみました。館内には入りませんでしたが、建物の外観と庭がとても美しいのでそれを見にくるだけでもいいかも。
この辺りを周遊するバス「森のくまさん」は美術館から、路線バスは美術館の隣の「裏磐梯ロイヤルホテル」からも出ていますが、五色沼入口周辺には座るところがたくさんあるので、そちらに移動して待っていました。
桧原湖畔にある「むらびと」で山塩ラーメンと喜多方ラーメンのランチ
しばらく待ってやってきたバスに乗って、裏磐梯高原駅まで戻ります。
お昼ごはんは、すぐ近くの桧原湖畔にある「むらびと」で食べることにしました。注文したのは、人気メニューの「山塩ラーメン」と「喜多方ラーメン」。
※上ふたつが「山塩ラーメン」、一番下が「喜多方ラーメン」
やさしい塩味でチャーシューもトロトロ。歩いた後のあったかいラーメンはとっても美味しかったです♪
この辺りは温泉から製塩した「会津山塩」が有名で、山塩を使った料理やお土産が色々あるのでぜひご賞味あれ。
山塩とは
磐梯山のふもとにある大塩裏磐梯温泉は、「グリーンタフ」と呼ばれる地層に閉じ込められた太古の海水の成分が、高温の地下水に溶け出して源泉になったものです。長い年月でその海水成分は高度に変質し、海水に比べ塩素イオンが少なく硫酸イオンが多い、特殊な泉質になりました。実はこれこそが、味わいや風味が海塩とは違う大きな要因と考えられています。(会津山塩企業組合のHPより引用)
むらびと
当店は、地産地消で地元の食材にこだわったメニューを提供しています。オススメの人気メニューは何と言っても『山塩ラーメン』!澄んだスープなのにコクが深くしっかりした味わいが特徴のラーメンです。おみやげコーナーでは『会津山塩』、『山塩ラーメン』はもちろん、ここでしか手に入らない『山塩粟まんじゅう』など山塩関連商品が充実!!会津のおみやげ品も多数取り揃えています。そして、村の人々の手づくりコーナーでは、世界にひとつしかない、オンリーワンのハンドメイド商品を販売しています。加えて北塩原産の季節限定朝採り野菜も販売中!露地栽培で育まれたみずみずしい野菜です♪裏磐梯にお越しの際はぜひお立ち寄りください。
◎会津山塩 承認店(第拾三号)
◎エコツーリズム協賛店
(むらびとのHPより引用)
「裏磐梯レイクリゾート」のプレイスポットとアクティビティカウンター
ホテルに戻って温泉に入ってから、夕食前に館内を散歩してみました。
3階のプレイスポットには、カラオケや卓球、ビリヤード、バーなどがあり、宿泊者以外でも利用することができます。ロビーから続くエスカレーターで直接行くことができるので外からでも入りやすい。23時までやっているので、夜までたっぷり遊べます。
エスカレーターでロビーに降りると、すぐわきに「裏磐梯カフェ」と反対側にアクティビティーの受付カウンターがあります。このカウンターでは、ガイド付きツアーの申し込みなどができるので、いろいろと相談してみるといいでしょう。申込期限が様々で、数日前というのもあるのため、早めに調べておくのがいいと思います。
「裏磐梯レイクリゾート」の夕食2日目
館内の散歩の後は夕食です。今夜は二日目ですが、バイキングの内容もちょこちょことかえられていて、連泊でも飽きない工夫がされています。名物のローストビーフも、昨日とは違うソース。
それにしても、今回の旅行で両親の(特に母の)食欲には驚かされました。バイキングなのでもちろん食べ放題なのですが、何度も料理を取りに行き、全部残さず食べてしまう姿は頼もしい限り。最後のアイスクリームも仲良くペロリです。
こういう喜んでいる顔を見ると、このホテルにして良かったな~と思います。