2008年10月。鬼怒川温泉駅発、東武日光駅解散の定期観光バスを利用した日光東照宮・中善寺・華厳の滝を巡る日光日帰り観光。人気のゴールデンコースは紅葉の時期で大混雑。大変なツアーとなりました。
今回の日光日帰り旅行は、前日に決めたのでなんのプランも立てていませんでした。
現地の知識もなく、車も利用せずに観光名所を回れる手段が何かないかなと考えて、「定期観光バス」を利用することにしました。
私たちが申し込んだのは、「日光定期観光バス」が出しているコースで、鬼怒川温泉駅に集合、その後日光の名所を巡り、夕方、東武日光駅解散というものです。
当日、朝6時20分浅草発の東武電鉄に乗り込みます。車両はほとんどボックス席で、それだけでもなんとなく旅行っぽい感じです。
天気は快晴。
電車は快速なので、目的地まで結構な数の駅に停車しながら進むのですが、スピードがそんなに出てないので、合間合間の景色をゆっくり眺めることができます。
どんどん山奥に入るにつれ、のどかな農村の風景が広がり、朝日に照らされた初秋の景色はとても綺麗でした。
およそ3時間後、集合場所の鬼怒川温泉駅に到着。改札を出てすぐ右側にある旅行会社で受付をします。
席は、申し込み順ではなく、当日の受付順で前から割り振られていくみたいなので、前の席がいい人は早めに行ったほうがいいでしょう。
この日はバス2台で出発とのことで、私たちは一号車になりました。バスにはガイドさんが同乗し、観光名所をいろいろと案内してくれます。
一台に30人以上が乗り込み、9時20分出発。
バスは一路、二台連なり、いろは坂を経て明智平へ向います。
最初は道も混んでなく、快適なドライブでした。しかし、日光市街の国道に入ると、ずっと先まで車の列が続いてるのが見えました。
まあ、連休で天気もいいし、街中だし、こんなものだろう
とこのときは余裕で構えていましたが、市街地を抜けてもそれは変わることなく、終始のろのろ運転で、そのままいろは坂の入り口まで来てしまいました。
ここで、運転手さんが、
このさきどれくらいかかるかわからないので、トイレを済ませましょう
と提案。
少し時間はロスしてしまいましたが、ここでトイレに行っておいて正解でした。
二号車はどうやらスルーしてしまったらしく、そっちに乗っていたお客さんは、後で大変な思いをすることになります。
さて、全員トイレから戻り出発。ふと上を見上げると、木々の間から渋滞している車の列が見えました。私たちのバスも、その列に加わり、再びのろのろといろは坂を登っていきました。
こんな感じなら、いろは坂で車酔いする人はひとりもいないでしょう。
でも、なかなか進まないかわりに、山間の見事な紅葉はじっくりと眺めることができました。途中には日光名物の猿も現れ歓声が上がります。
しばらくたった頃、いろは坂の途中のちょっとした駐車スペースに、臨時の簡易トイレが設置されている場所がありました。今日のように、ものすごい混んでいる日にだけ設置されるようで、そこには、けっこう切羽詰った感じの人たちが、長い行列をつくっています。
その時、少し先を行く二号車からガイドさんに連絡が入りました。
今、その行列に6人の二号車のお客さんが並んでいるから、一号車に乗せてきてくれ
とのことでした。
なんとも勝手なお願いでガイドさんも運転手さんも困っていましたが、すでに二号車は先に行ってしまい、後からくる私たちが乗った一号車に乗れなければ、山の中に置き去りになってしまいます。
私たちのバスがトイレの横まで来たとき、渋滞の列を少しずつ進みながらピックアップするために、トイレの周辺を探すと、まだ行列に並んでいる6人の姿がありました。
一号車は、すでにいろは坂の手前でトイレ休憩を済ませているので、ここで止まるつもりはなく、渋滞の列にハマッたまま進み続けるしかない状態です。トイレが終わるのを待っていたら、一号車も先へ進んでしまい、下手したらはぐれてしまいます。
しかたなく、ガイドさんはバスから降りて、まだ並んでいるお客さんを呼びに行きました。
少しして、みんなで走ってバスに戻ってきたのですが、お客さんは、かわいそうに、トイレも我慢したままいろは坂を走らされ(上り)、同行者とも別れたまましばらく過ごすことになってしまいました。
ようやく明智平まで登りきりましたが、そこには溢れんばかりの車と人。ここからは中禅寺湖と華厳ノ滝が見れる景勝地なのですが、残念ながら通過。
今度は山道を下って中禅寺湖まで向かいます。明智平を過ぎると、さきほどに比べれば渋滞も緩和されましたが、スイスイ進むというほどではありません。
ここで、さきほどトイレを逃した二号車の人が
あとどれくらいで着きますか?ト、トイレに行きたい…
と、苦しげに訴えてきました。
運転手さんは、
もうちょっと、あと5分くらいだからがんばって!
と、普通、バスは通らない細い近道に入ってガンガン飛ばしていきます。おかげで通常ルートよりも早く中禅寺湖にたどりつき、二号車の面々はバスを駆け下りてトイレに向かっていきました。
時刻は14時近く。通常は40分で着く距離を4.5時間かけてやっとたどり着きました。
ここでは、号車ごとに分かれて見学&食事をします。
私たちはまず、昼食を取る食堂で先に注文を済ませ、作っている間にすぐ近くの中禅寺湖を見学することになりました。
赤い門の前で中禅寺を案内してくれる僧侶の方に落ち合います。
その方が言っていましたが、今日の混みようは、GWをしのぐ今年一番のものらしく、でも、年の半分くらい姿を隠している男体山が山頂まで見れてラッキーだとも言っていました。
渋滞は参りましたが、それならまあ、よしとするか。
お坊さんの後につき、境内の中に入っていきます。
時間がないので、一階部分しか見れませんでしたが、根の生えた立ち木に彫刻された立木観音は迫力がありました。
15分ほどの駆け足の見学が終わると、さきほどの食堂で遅い昼食です。私は名産のゆばを使ったお蕎麦を食べました。
食べた人からどんどんバスに戻り、次は華厳ノ滝へ向かいます。
滝へはここから数分で到着。展望台へ行くと、よく見える場所にはすでに人が鈴なりになっていました。
ここでもゆっくり見学している時間はないので、その人たちの頭の間にカメラを割り込み、なんとか撮影。構図云々なんて言っている場合ではありませんでした。
とんぼ返りで再びバスに戻り、次は日光東照宮へ急ぎます。
東照宮は5時に閉まってしまうので、それまでに見学を終わられなければなりません。
本来寄るはずの見学地をいくつもすっとばし、駆け足で見学してきたのは、すべて東照宮の見学を確保するためです。
しかし、帰りも渋滞の魔の手は襲いかかってきました。それは、いろは坂の途中から始まり、日光市街まで断続的に続きました。
行きにトイレ休憩した場所を15時30分ごろ通過したのですが、この時間になってもまだ登りの道は渋滞していました。下りも車が繋がっています。
どんどん時間がすぎ、あたりも薄暗くなってきたころようやく東照宮に到着。時間はすでに16時をまわっていました。
東照宮では、専門のガイドさんがつき、案内してくれるのですが、すごい人ごみで、見失わずについていくのがやっとです。要所要所で詳しい説明をしてくれるのですが、ほとんど聞けませんでした。
写真もとてもじゃないですが、じっくり撮っているヒマもなく、眠り猫にいたっては近づくこともできませんでした。
鳴き竜の鳴き声は見事で感動しましたが、日本の静かなお寺の雰囲気を味わうには程遠かったです。
普段なら夕暮れになると空くそうなんですが、この日はまた運悪く、森山直太朗のコンサートがここで開催されるということで、遅くなってもこんなに混んでいたようです。広場にステージが設置されていて写真を撮るにはかなり邪魔をしてくれました。
帰りの電車に間に合わない人は、見学の途中で離脱していきましたが、私たちはなんとか大丈夫そうだったので最後まで参加。
東武日光駅に17時50分ごろ到着し、18時10分の電車に乗ることが出来ました。
今回は、ふんだりけったりの日光日帰り弾丸ツアーになってしまいましたが、いろいろなことがあったので、ある意味一生忘れない旅行になったと思います。
先日行った尾瀬もそうですが、今年の国内旅行はみんなリベンジ候補になりそうです。
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