特急スペーシアと路線バスを利用して奥日光の湯元温泉から小田代ヶ原と戦場ヶ原をハイキング。真っ青な湯の湖や小田代ヶ原の貴婦人などを見ながら、帰りには世界遺産日光東照宮も参拝。湯元温泉のにごり湯で心も体もほっこりできた温泉と自然の満喫旅。
東武鉄道の浅草7時30分発の特急スペーシア「けごん1号」で日光へ向かいます。
今回利用したのは、東武トラベルの交通と宿がセットになっているプラン。
これには、往復の乗車券と路線バスの乗り降り自由なフリーパス、宿泊がついていて、今回はスペーシアを利用することにしたので追加で特急券を購入しました。
スペーシアは全席指定席。
軽食が買えるビュッフェもあります。
浅草から終点の東武日光までは1時間18分で、私の感覚からするとかなり近い。
軽く一眠りしているうちにあっという間に到着。
今日のお宿は奥日光の湯元温泉なので、続いて駅前のバス停から9時35分発の路線バスに乗ります。
この路線は、東照宮や中禅寺湖、戦場ヶ原などの観光地を結んでいるので、平日なのにすでに行列ができていました。外国人観光客も結構います。
時間になると、大型観光バスなみの大きなバスがやってきました。これならかなりの人が座れます。
フリーパスは、乗り降りの時に見せるだけで、小銭の用意をしなくていいのでとてもラク。
道はとても空いていて快適。
しかし、走り出して間もなく、雨が降ってきてしまいました。
晴れていれば寄り道しながら行こうと思っていましたが、観光は明日にして、終点の湯元温泉まで直行することに決定。
車窓からは綺麗な紅葉が見えました。もう終わりかけですが、下の方はまだまだ見ごたえがあります。
東照宮からいろは坂、明智平、中禅寺湖、戦場ヶ原を通り抜け、11時に湯元に到着。約1時間半の行程です。
湯元まで乗ってきたのはほんの数人。
バス停のまわりも閑散としていて、他の観光客らしき姿はまったくありません。
今日は温泉三昧と決め込んで、まずは情報を集めるためにすぐ近くのビジターセンターに行ってみました。
ログハウス風の立派な建物で、中にはこのあたりで見られる植物や動物などの剥製や写真がたくさん展示されています。
ゆっくり見ていたら結構な時間を過ごしてしまい、そろそろ温泉に入りに行くことにしました。
湯の湖沿いを歩いて「休暇村日光湯元」に到着。
平日は12時から入浴が可能で一人850円。
12時前に行ってロビーで待っていたので、一番風呂に入ることができました。
お湯は乳白色のにごり湯で、サラサラした感じ。
外は冷たい雨で寒かったので、じわじわ温まっていく感じがたまらない。
ゆっくりお湯に浸かった後は、ホテルのレストランでランチ。
壁一面がガラス張りになっていて、木々の間から湯の湖が見えます。
すぐそこに木道があり、ハイカーの姿も見えました。晴れていたら気持ちいいだろうなぁ。
ランチのメニューはあまり種類がなく、少ない中から栃木の豚を使ったとんかつにしてみました。
衣がカチカチで揚げ方が残念でしたが、お肉は美味しい。
コーヒーで一息ついた後、そろそろチェックインの時間なので、すぐ近くの今日のお宿「日光湯元温泉 奥日光高原ホテル」に向かいました。
山奥にある静かな温泉宿で、スタッフのみなさんもとても感じがいいです。
部屋も広くて明るく、この値段では十分。
朝の天気予報では午後から雨が強くなるということだったので、さっさと浴衣に着替えて休憩していたのですが、しばらくすると青空が見え始めました。
これはラッキーとばかりに、再び着替えてカメラをつかみ出発。
まずは湯の湖の方へ行ってみることに。
すると湖の向こうに雪をかぶった男体山が綺麗に見えました。さっきまで降っていた雨は、山の上の方では雪だったようです。
湖畔にはボートなどもあり、シーズン中にはさぞかし混雑する観光地なのでしょう。
その近くには「湯の湖は試験研究用水面です」と書かれた看板が立っていました。読んでみると「明治時代に初めて魚類が放流されて以来、多くの種類の魚が放流されてきました。現在では、ヒメマス、カワマス、ニジマス、ホンマス、コイ、フナ、ワカサギなどたくさんの魚がすんでいます。水産総合研究センターは関係機関と連携し、湯の湖・湯川において、自然環境に配慮した水産業の振興を図るための試験研究を行っています。」とのこと。
そのあと湯元のバスターミナルを通り「日光山温泉寺」に行ってみました。
参道には灯篭が立ち並びいい雰囲気。
お寺に着くと「入浴・休憩できます」との札が立っていました。どうやらお寺で温泉に入れるようです。とても興味がありましたが、次回に持ち越し。
お寺の脇から木道が続いていたのでそちらへ行ってみました。
すると湯気が立ち上る湯ノ平湿原が広がっていて、少し進むと草の間から小さな小屋がいくつか見えました。
どうやらパンフレットやサイトなどに載っていた源泉のようです。
地面に渡された木の板を渡っていくと、地面からもポコポコと温泉が湧いているのが見えました。
見たいと思っていてすっかり忘れていたので、この偶然の訪問はかなり嬉しかったです。
そろそろ日もかげってきたのでホテルに戻ることにしました。
途中、空を見ると綺麗な夕焼けになっていました。赤く染まる夕空に男体山や月がとても美しい。
今日は一日雨だと諦めていたので、こんな散歩ができて本当によかったです。
ホテルは「とちぎにごり湯の会」の宿で、温泉は、日本で4番目に濃い乳白色硫黄温泉だそう。
もちろん源泉かけ流しで、男女2つづつの浴場があります。
脱衣所も広く、タイミングによっては貸切状態で入ることもできました。
お風呂のあとは夕食です。
予約時にいくつかのメニューから選べるのですが、今回は「和牛しゃぶしゃぶ」コースにしました。
ホテルオリジナルのワインと一緒にいただきます。ちなみに今回利用した東武トラベルのプランだと、夕食時に飲み物が1杯サービスになっています。
お肉もやわらかくてゴマだれも美味しい。
日光名物の湯葉刺しもほんのり甘くてモチモチ。
種類も量も大満足でした。
寝る前にもう一度温泉に入ってぐっすり眠ることができました。
早朝6時。
朝起きて外を見ると、昨日とはうってかわって雲ひとつない快晴。
7時から始まる朝食のバイキングに早々と出向き、もりもりいただきます。
8時過ぎにホテルを出発。
今日は、湯元温泉のホテルから湯の湖~小田代ヶ原~戦場ヶ原を通って赤沼まで日光国立公園のハイキングです。
湯元の標高は約1500m。
外に出ると朝の冷えた空気と山の香りが気持ちいい。
湯の湖に出ると道は左右に分かれるのですが、車道のない右側に入ります。
木々の間から湯の湖が見られるのですが、その青さは中国の九寨溝を思い出させます。
振り返ると湖畔に建つレストハウスなどが見え、山に囲まれた湖のほとりの外国のような景色。
湯の湖の反対側へ来ると湯滝の真上に出ます。そこから流れ落ちる滝は結構な落差で水量も多い。
その脇から下へ降りる道があり、滝つぼまで行くことができます。
滝つぼから先は工事中でしたが、臨時の道が作られていて、戦場ヶ原方面へ抜けることができます。
そこにいた係りの人の指示で、通せんぼしているポールを跨ぎ先へ進みました。
昨日雨が降ったせいか、木道が凍ってかなり滑ります。
木道には滑り止めの出っ張りがあるのですが、これがなかったら一度や二度の転倒ではすまなそう。
小滝を通り過ぎ綺麗な清流の川に沿って歩いていくと、やがて分かれ道へ。
小田代ヶ原経由で行きたかったので右へ進みます。
熊笹が生い茂る中を歩いていくと、回転式のゲートが現れその両側には金網が張り巡らされていました。
シカ避けらしいのですが、そういえば、このあたりはシカだけでなくクマの出没地域で、昨日行ったビジターセンターには目撃情報がたくさん書き込まれていました。
そのゲートをくぐって写真を撮っていると野生のニホンザルが出現。ふかふかの毛がとても綺麗です。
クマじゃなくてよかったと思いつつさらに進むとパッと視界が開けました。
どうやら小田代ヶ原に着いたようです。
そしてここで有名な「小田代ヶ原の貴婦人」を発見。背景の茶色い林に白い木肌が映え美しい。
「小田代ヶ原の貴婦人」とはピッタリの名前をつけたものです。
展望台に行くカーブの手前からだと男体山も正面に聳えているので、こちら側からの景色がお勧めかも。
ほどなく展望台に到着。ここには赤沼から来る低公害バスの停留所とトイレがあります。
展望台の椅子で小休止。
湯元からここまで写真を撮りながら約3時間。案内板を見るとここから赤沼まで約1時間のようです。
休憩後、一旦ゲートを出てしばらく車道を歩いていくと、左側にまたゲートがあるのでそこを入ります。
木漏れ日の中を進んでいくと戦場ヶ原の展望台に出ました。
とはいっても、私が想像していた広大な湿原が広がるような風景とは違い、なんでここに展望台があるんだろうという感じ。
もっと先に行けばそんな風景が見られるのだろうと期待して歩きます。
すると段々と観光客の姿も増え、赤沼に近づいてきたのがわかりました。
湯の滝と赤沼の分岐点に広めの休憩所と展望台があったので、展望台の先端まで行ってみると、ここでもそんなに広々とした感じはありませんでした。
あれ~?と思いつつ歩いていくとほどなく赤沼に到着。小田代ヶ原から予定通り1時間です。
遊歩道はいくつかあるので、戦場ヶ原の広大さを感じるには別のルートなのかもしれない。
しかし、このルートは小田代ヶ原を堪能できるので、戦場ヶ原のルートだけ変えればいいのかも。
今回通ってきたルートを歩くのは、湯元温泉からスタートする方が基本的に下りなのでラク。
といっても、ほとんどの部分であまり高低差がないので、湯の湖と湯滝の滝つぼ間の急坂をがんばれば逆でも問題なし。
また、赤沼から中禅寺湖までも歩けるので時間のある人はそこまで行くのもいいでしょう。
赤沼には赤沼茶屋(私が行ったときは閉まっていた)の他、大きなトイレと屋根付きの休憩所があるので拠点にするにはいいと思います。
茶屋の脇から出る12時16分発のバスに乗って、次は日光東照宮へ向かいました。
ちなみに、小田代ヶ原まで行く低公害バスの乗り場は、茶屋の角を曲がったところにあります。(今回利用したフリーパスのエリアには含まれてないので追加料金が必要)
中禅寺湖のバス停に着くと、たくさんの人が乗り込んできてガラガラだった席は満席に。
ここから5分程度のところに華厳の滝もあるので、どうやら日光駅から中禅寺湖までが最も混むエリアのようです。
13時すぎ、日光東照宮に到着。相変わらずすごい人です。観光客に混じって七五三の姿もありました。
参道に入ると綺麗な紅葉が頭上を覆ってきます。
表門の方へ行くとチケット売り場には長蛇の列。
しかし、この状態にも係わらず窓口が二つしか開いてません。
近くで並んでいた人からも「こんなに並んでるんだから開ければいいのに」とクレームが。
そしてやっとゲットしたチケットは一人1300円。(高っ!)
中へ入っても人がすごくてゆっくり一箇所に立ち止まって見学することもできず、パワースポットの神秘的な感覚に浸ることもできず、人の流れに押されるように進んでいく感じ。
眠り猫の門を通って奥宮拝殿に続く200段の階段のところは一番上から下までずっと行列。
いい加減げんなりしましたが、最後の見学地だしがんばって上までたどり着きました。
みんなご利益があるという小さな祠に並んでお参りしてましたが、もう並ぶのはイヤだったのでスルーして下山。
その後国宝の唐門がある本殿の中も見学しましたが、写真撮影禁止の上すごい人だかりだったのでさっさと終了。
世界遺産ですごいのはわかりますが、なんだかただ疲れただけで終わってしまいました。
何度目かの訪問でしたが、今回は期待していたほどの感動はなかったなぁ・・残念。
お腹も空いたので、ここから東武日光駅までお店を探しながらのんびり歩くことにしました。
こちら側からは下り坂なのでラクです。
しかし、時間が中途半端だったせいか、いいなと思うお店はみんな準備中。
結局15時半ごろ、駅前のお蕎麦屋さんに入りました。
昨日食べた湯葉が美味しかったので、今回も湯葉そばに決定。
お蕎麦の汁がしみて美味しい!
帰りの電車まで時間があったので、JR日光駅前の日光ステーションホテルクラシックにある温泉に入りに行きました。
「駅スパ」という名前がついていますが、温泉だけの施設で利用客数に比べると脱衣所も浴場も少々手狭。
露天風呂に入ったとき塩素の匂いがツンときたのにはがっかりで、温泉のお湯は透明。
やっぱり静かで人も少ない奥日光の湯元温泉の方が好みです。
しかし駅前にあるので、帰りにどうしてもひとっ風呂浴びたいという人には便利。
18時32分(28分の電車が遅延)発の下今市行きの列車に乗り、下今市でスペーシアに乗り換え。
車内でチーズやナッツをおつまみにワインで一杯やっているうちに、予定より少し遅れて浅草に到着。
時刻は20時前。
今回は、一番の目的だった温泉とハイキングが十分堪能できたのでとても満足できる旅でした。
あの路線バスのフリーパスは使えるので、今度来るときはまたアレを利用して色々行きたいと思います。
1