主な訪問地:台北~台中~高雄
台湾高速鉄道で台中まで乗車したあと宝覚寺や日月潭巡りながら北回帰線を越えて台南の高雄まで南下。北回帰線を越えると天気もよくなり気温も上昇。南国の雰囲気を味わえる。
今日は台湾高速鉄道に乗るので、6時に起床し朝食を食べ7時10分出発。
外に出ると雨がパラパラ降っていました。しかしこれから行く南の方は、台北よりは天気がいいらしいので期待。
駅に着いて自動改札を通り、新幹線乗り場まで結構移動します。しかしとても整備された構内なのでスーツケースを転がしていてもラク。
指定された車両に乗り込むとガラガラで、ほぼ貸切り状態でした。車内もとても綺麗で座席の幅も広く快適です。
台湾高速鉄道は台北から高雄まで、最高時速300kmで結ぶ鉄道で、日本の新幹線の技術を導入しています。
今回は、途中の台中までほんの50分の乗車でしたが、 走行中もとても静かで、ゆっくりと過ごせました。
台中の駅に着き外へ出ると、雨は降っていないものの想像していたより寒く、着こんできて正解でした。
ロータリーで待っていたバスに乗り、台中観光の開始です。
Sさんの案内によると、台中は気候が良くて住みやすいが、風俗業が盛んで台湾の中でも治安が一番悪いそうです。
まずは弥勒大仏像(七福神の布袋)で有名な宝覚寺に到着。
このころになると雲が切れ薄日が差してきました。こうなるとぐんぐん暖かくなり、やっと南国に来たのだと実感。
宝覚寺には、高さ30メートルもある弥勒大仏像のほかに、戦前に亡くなった日本人のお墓もあります。
弥勒大仏像の耳を触ると幸福が訪れ、おへそに触るとへそくりが増えると言われていて「触る用」の小さい像も置かれています。
たっぷりと触った後、日本人墓地でお墓参りをし、台湾有数の観光地、日月潭へ向かいました。
少し走ると、のどかな田園風景が広がってきました。台北の近代的な風景から比べると、やっと私の中にある台湾のイメージです。
途中、運転手さんが小さなスタンドのようなお店の前で止まり何かを購入。
Sさんの説明によると、それは檳榔(ビンロウ)というもので、覚醒作用があるため、長距離運転ドライバーなどが眠気覚ましに噛むのだとか。
口が真っ赤になり、体にもあまりよくないためイメージが悪く、タバコのように一度やるとクセになるらしくなかなか止められないそうです。
日月潭は日の形と月の形をした半人造湖で、台湾で最も大きな湖です。
この周辺には台湾原住民サオ族が暮らしていて、日月潭に浮かぶラルー(拉魯)島はサオ族の祖霊が宿る聖地とされています。
蛇行する山道を通り、まずは日月潭を見下ろす文武廟へ。春節を迎えるため、普段はない飾りがしてあり華やかです。
廟門をくぐるとまず出迎えてくれるのが、巨大な一対の赤い獅子。台湾の銅像はなんでみんな大きいのか不思議ですが、これも例外ではなく高さが8メートルもあるらしい。
その間の階段を上がって境内の中へ進むと、屋根から壁から細かな彫刻と鮮やかな色彩で目を見張る美しさです。
さらに階段を上って屋上へ出ると、オレンジ色の文武廟の屋根の向こうに日月潭が広がるパンフレットなどにもよく掲載されている有名な風景が広がっていました。
残念ながら曇りであまり色が映えなかったけれど、人気のあるのがわかります。
バスに戻り、すぐ近くの玄奘寺へ。
こちらは西遊記に出てくる玄奘大師(三蔵法師)の遺骨が祀られています。(Sさんは仏舎利と言っていた)
本堂に入ると玄奘大師の銅像があり、その脇に遺骨が安置されていました。小さな覗き穴から覗いてみると、これまた小さな白い塊が見えます。
三蔵法師というと物語の中の人物というイメージが強かったですが、こうして本物の遺骨を見るとやっぱり本当に実在していたのだと実感します。
外へ出ると、白い石が敷き詰められた庭園があり、そこからも日月潭が見渡すことができます。
玄奘寺を後にし、バスが停まっている駐車場に行くと、何軒かのお土産屋さんがあるのですが、その軒先に殻ごと煮ているタマゴが売っていました。私は食べなかったのですが、中国からの観光客に大人気だそうです。
再び山道を下っていきますが、蛇行が結構あるので、車酔いしやすい人は酔い止めを飲んでおいたほうがいいかもしれません。(実際酔ってしまった人がいた)
車のあまり走っていない道を快調に飛ばし、昼食のレストランへ到着。
台北とは違い、まわりには車も人も少なくとてものどかです。時刻は13時半。日もだいぶ差してきて、今度は暑くなってきました。
今日の昼食は客家料理ということで、チマキや海老のフライ、猪の炒めものなど、素朴で野趣溢れる料理でした。
食事のあとのドライブは眠くなるものですが、このツアーにはそんな時間はあまりありません。
うとうとしていると嘉義の北回帰線標塔に到着。北緯23度27分で、ここから南が熱帯地域なります。
だだっ広い公園に日時計や記念館、スペースシャトルなどがあり、人もまばらで閑散としていました。
その端っこにあるSさん行きつけ(いつもツアーで来る)の、その名も北緯23度半カフェでキャラメル味のポップコーンを購入。お昼が控えめだったせいかこれがとても美味しくて、おやつにはもってこいです。
他の人もコーヒーなどで一息入れ、何もない場所ですが結構な時間を過ごしました。
バスに乗るとSさんから北回帰線通過記念書を授与。
ちょうど今年、中華民国100周年にあたり「北回帰線通過日」が100年なっています。
北回帰線を通ったという実感はあまりありませんでしたがいい記念になりました。
このあとは台南の市内観光です。
私達の予定表には書いていない訪問地がSさんの方には書いてあるそうで、この日程でこれだけの箇所をまわるのはとても大変だと言っていました。
まずは庭園が美しい赤カン楼(セキカンロウ)へ。
その昔、このあたりを占拠していたオランダ人が建てたもので、土台が赤レンガで建築された建物は、夕日に照らされると赤く染まります。
門を入ると綺麗に整備された庭が広がり、その奥に城がこじんまりと建っていました。私達が訪れたのもちょうど陽が傾きかける頃で、芝の緑とのコントラストがとても綺麗でした。
次に向かったのは延平郡王祠。
この寺院のある公園にはガジュマルの木がいくつも生えていて、南国さをかもし出しています。
この延平郡王祠は、オランダの支配から台湾を解放した鄭成功をたたえて、民衆によって建てられたものです。
台南の観光はここまでで、いよいよ今回のツアーの最終目的地、高雄へ向かいます。
高速を順調に進み、40分も走ると高雄の高層ビルが見えてきました。
印象からすると台北とそう変わらない大都市のようです。
時刻は18時。
あたりはもう薄暗いですが、このあともスケジュールはまだまだ続きます。
まずは高雄を代表する観光地、蓮池潭へ行きました。
ここには、龍と虎の出入り口を持つ龍虎塔という塔があり、必ず龍の入り口から入って虎の出口から出ます。
台湾では龍は最も良い動物で虎は最も悪い動物とされており、この順番で通ることにより厄落としになるそうです。
日が落ちてライトアップされた龍虎塔はとても幻想的。光の当たり具合で陰影のついた龍と虎が迫力があります。
魔よけのためにクネクネと曲がった塔までの橋を通り、大きく開けられた龍の口から中へ入ると、壁画が描かれたトンネルになっていて、その奥に門番がいます。入場料はいらないのですが、賽銭箱にお賽銭を入れると、その門番の人からポストカードがもらえます。
湖に面した細い回廊を一回りして、同じようなトンネルを通り虎の口から退場。
橋を戻って陸に上がったところに保生大帝が祀られている慈済宮があり、そちらもまた絢爛豪華にライトアップされていてかなり目を引きます。
中に入るとこれまた煌びやか。赤をベースに色々な色がちりばめられ、その綿密な彫刻と色彩に見とれてしまいます。
もっとじっくり見ていたかったですが、集合時間が迫っていたので素早く数枚撮影して後にしました。
時刻は19時前。
市内のレストランで夕食です。お昼をあまり食べなかったのでお腹がペコペコ。
今回は、春巻きやイカのフライ、カニチャーハンなどボリュームたっぷりでした。
腹ごしらえもしたので、気合を入れて六合二路夜市に突入。
台北の士林とは違い、こちらのほうが昔ながらの雰囲気が強く私好みでした。ほんの2ブロックほどの通りですが、観光客でごった返していて、
思うように歩けません。Sさんによると、昔はあまり人もいなくて端のほうまで見渡せたが、最近は中国人観光客がすごくてこのような感じになったそうです。
30分ほど人込みにまみれ、次はホテル近くの桟橋から出ている愛河のナイトクルーズです。
乗り場に行くと行列ができていて、私達もそれに並びますが、いくら南部の高雄といっても夜になると気温も下がり結構寒い。みんなで励ましあいながら(もうなんだか修行のよう)順番を待ち、やっと乗り込むと窓もない吹きっさらしの船内。
ガタガタ震えながらも、イルミネーションが輝く風景を写真に収めます。
旧正月を迎えるにあたり、愛河には干支のうさぎのオブジェ(最初はカバに見えた)などもあり、なかなか趣向を凝らした飾りつけが楽しい。
■動画:愛河ナイトクルーズ
およそ20分のクルーズを終えやっとホテルに向かいます。乗り場からは歩いてほんの2、3分。
今日のホテルは5つ星のアンバサダー。
部屋も綺麗で設備も申し分なく、部屋からはライトアップされた愛河も見下ろせます。
しかし、すでに時刻は22時。
そんな感動に浸る元気もなく、シャワーを浴びて(今日も)すぐに寝てしまいました。
台湾旅行最終日です。
6時に起きて朝食を食べ7時半に出発。
今日は14時の飛行機に乗って日本へ帰りますが、このてんこ盛りツアーはそれまでの時間も無駄にはしません。
まずは朝一で澄セイ湖で散歩です。
この日は天気もよく、公園では地元のお年寄りたちが運動をしたりしていました。中には私達に日本語で話しかけてくれる人も。
魔よけの意味を 持つ曲がりくねった「九曲橋」を通り、遠くに有名な圓山大飯店を見ながら湖畔を歩きます。
園内には植物もたくさん植えられていて、夏の暑い時期はいい避暑地になりそうです。
さわやかな空気を吸った後は、おなじみの免税店へ。
ここではたっぷり時間を取るようで、私は実家のお土産用にお茶を買いましたが、それでもだいぶ時間があまり、みんなもお店の外で暇つぶしするほど。
これならもう少し、観光の方に時間を使って欲しい…
との思いはみな同じです。
10時すぎ、やっと時間になり最後の観光地、旗津へ向かいます。
旗津へは、地元の人が足代わりに使っているフェリーに乗船。
バイクや自転車で乗り込む人たちに混じって乗り込むと、2階は椅子が並べられ甲板にも出ることができます。
強い日差しを浴びながら甲板に陣取るとほどなく出航。湾には結構大きな船も行きかっていて活気があります。
ほんの10分ほどで旗津に到着。
船着場の周りは商店街になっていて人力車などもあり賑わっています。
乗り場から5分くらいのところにある、媽祖を祀った高雄地区最古の廟、旗津天后宮へ行ってみました。
赤提灯がびっしり並ぶ入り口を入ると、今までの煌びやかな寺院などとはちょっと趣が違い、どちらかというと日本的な落ち着いた感じです。
まだ時間が少しあったので、通りを歩いていると、向こうから仮装をした幼稚園くらいの子供達が行列で歩いてきました。
見ると、お菓子のようなものを沿道のお店の人に配っているようです。これも旧正月の行事なのかもしれません。
子供達を見送って、再びフェリーに乗って対岸へ戻りました。
次に向かうは昼食ですが、フェリーで思いのほか時間をくったということで、慌しい最後の食事となりました。
昼食をとった場所は客家族の住むエリアなので、料理も客家料理。見慣れない野菜などが出てきましたが、それほど特徴のあるものもなく無難な感じ。
お尻を叩かれるように空港に着いたのは13時。
ここでSさんとはお別れです。
飛行機は定刻通り14時に離陸。
高雄からの飛行機は各席にパーソナルモニターがついていたので、さっそく上映プログラムから「ウォール・ストリート」を観てみました。
途中、機内のアナウンスやなんやらで途切れ途切れであまり集中できず、いまいち内容がつかめないところがあったせいか、それほど「観てよかった」とは思えませんでした。でも、ヒロインのウィニーがとてもキュート。
フライト時間が約3時間なのでギリギリで見終わることができました。
18時、成田にも予定通りに到着。
そこからの電車の乗り継ぎもよかったので20時半すぎには家に帰ることができました。
今回の旅行は、近いし短いしで甘く見ていたのですが、近年まれにみる疲労加減で、自分でもなんでこんなに疲れるのか不思議なくらいでした。
内容がてんこ盛りだったのもひとつですが、しかしそれは他の旅行でも経験しているので、ここまでの疲れの理由にはなりません。
そうなると思い当たるのはただひとつ。
人混み
しかありません。
生来、行列とか人混みとかが苦手なので、今回のように行く先々でそのような状況に遭遇したため、心身ともに疲れ果てたのでしょう。
東京生まれの東京育ちのくせになんとも情けない話ですが、本当に疲れた旅行でした。
しかし、この値段で、あんなに色々な場所に連れて行ってくれるとは、旅行会社もかなりがんばっていると思います。
体は疲れましたが、お得感はかなりあるツアーでした。
1 2