主な訪問地:カシュガル~メルケト~ヤルカンド~ホータン
カシュガルから西域南道を通って各地の市場に寄りながらメルケト、ヤルカンドと進む。芸術の里と呼ばれるメルケトでは世界無形遺産に指定されるドランムカムを鑑賞し、ロバ車も体験。ヤルカンドの郊外に出ると砂漠が広がりやがてホータンの街にたどり着く。
ホテルで朝食を食べて9時15分出発。
ちょっと雲が多いけど、空気がすがすがしくとても爽やかな朝です。
■動画:新疆ウイグル自治区の西域南道
10時25分。
ハネリックという小さな村で行われている月曜市に到着。
その名の通り、月曜日にだけ開かれる市場で、みんなこの日になるとおめかししてここへ集まるのだそうです。
北京時間では10時を過ぎていますが、新疆時間では8時半なので、集まっている人もまだちょっと少なめ。しかし、すでに来ている人たちはいい場所を確保し、精力的に働いています。
市場の入り口では、お髭の立派なおじいちゃんがサムサを焼いていました。具を入れた生地をあつあつの窯の内側に張り付けて焼き上げます。
私もこの市場でひとついただきましたが、サクサクで美味しかった~。
私たちが見学をしている間にも、続々とロバ車に乗った人たちが集まってきます。
週に一回のバザールは、売る側も買う側もきっととても楽しみにしている日なのでしょう。
芸術の里と呼ばれるメルケトに到着。
ここでは、ウイグル民族の民家で、世界無形文化遺産のドランムカムを観賞します。
が、その前に街中の回族のレストランでランチ。
腹ごしらえしたあとは、少し移動してヤンタック村へ。
村の政府委員会の建物で、民家までいくロバ車が来るのを待ちます。
その間に、村の人がウイグル民族の楽器を使って少し演奏してくれました。
■動画:ウイグル民族の演奏
なんだか哀愁を誘う旋律。早く本演奏が聞きたくなりました。
そこへロバ車到着のお知らせ。
1台に4~5人のって出発します。走り出すと思ったよりスピードがあり、風が気持ちいい。
のどかな村の様子を眺めながらポプラ並木を進み、民家に到着。
部屋に入ると結構広く、赤い絨毯が敷き詰められていました。
続々と村人が集まりスタンバイ完了。
迫力の演奏と唄、そしてゆるい感じの踊りが始まりました。
ドランムカムとは、このあたり一帯を指す名称の「ドラン」と、アラビア語で「楽曲」を意味するムカムがあわさったものです。
タクラマカン砂漠に暮らしていた頃から代々受け継がれてきた踊りですが、今ではあまり出来る人が少なく、40~70代の人しか踊れないそうです。
そのため、あまり見られなくなってしまので、遠征をしたり、遠くからこの村まで観賞に来る人が多くいます。
ムカムの中では「12ムカム」という楽曲が有名で、そのほかにも各地にいろいろなムカムが存在しています。
■動画:本当のドラン踊り
■動画:砂漠と関係ある踊り
■動画:伝統的なゲームのドランマシラップ
最後は私たちもドランマシラップに参加して終了。ウイグルに来たら、これは一見の価値アリです。
帰りはまたロバ車に乗ってのんびりと戻りました。
メルケトを後にし、ヤルカンド手前のハンディの月曜市へ。
今まで行った市場のなかでも、地元色が豊かで規模も大きいバザールです。他の観光客もあまりこないようで、私たちに対する注目度はかなりなもの。
お店がひしめく狭い通路を歩いていくとあちこちから声がかかりました。
みんなウイグル語なので、言っていることはまったくわからないのですが、あとでガイドさんに聞くと、みんな私たちのことを
記者か?
香港人か?
遠い国から来た人たちだ
などと言っていたそうです。
見た目は漢族と似ていますが、やはり外国人だとわかるようです。
最初はガイドさんのあとについて、迷路のような市場を歩いていきました。
日用品や食料、サムサやラグメンなどの食べ物屋さんなどありとあらゆるものが売っています。
自由行動になったので、いろいろ歩き回りながら、さきほど見つけた美味しそうなサムサをひとつゲット。これは大きなサイズなので一個3元です。
一緒にいたツアーの人と半分こして、地元の人たちと一緒にお店のテーブルでいただきました。
時間になったので集合場所へいくと、迷子になった人がいてしばらくそこで待機。そのあたりは職人エリアで、床屋さんや修理屋さんなどがお店を出していました。
みんなカメラを見つけると、撮ってくれと言ってきていい笑顔を見せてくれます。
そうこうしていると、どんどん私たちの周りに人が集まってきて大騒ぎ。
覚えたてのウイグル語で挨拶したり、日本から来たと言うと、みんなとても喜んでくれて一気に距離が縮まった感じがします。
私にとって、地元の人たちとふれあえるこういう機会は、どこの国に行っても本当に楽しくて貴重な時間なので、大して話せなくてもどんどん近づいて行くようにしています。
とびっきりの笑顔で挨拶すれば、たいていは笑顔で返してくれるのは万国共通。
しばらくすると迷子の人が発見されたので、みんなとお別れしバスへ戻りました。
時刻は19時。
本日の最終目的地ヤルカンドに到着しました。
街中のホテルにチェックインし、併設されているレストランで夕食のはずだったのですが、そのレストランが閉まっているとのことで、急遽外へくりだします。
ガイドさんが見つけたのは清真料理のお店。
清真料理とは、ウイグルのムスリムの人たちが食べる食事で、ハラール(豚肉などを使用しないなど様々な決まり)が守られた料理です。
しかし、敬虔なムスリムであるガイドさんは、中に入ってお店の匂いを嗅ぐなり、
ここのは本当の清真料理ではない
と言い、ひと口も食べませんでした。
後で添乗員さんに聞くと、以前、同行したツアー中に清真料理のお店がなかった時、毎食ずっとハラールのカップラーメンを食べているガイドさんもいたとか。
なんだか大変だなと思う一方、こんなにも信じるものがあるということに、少しうらやましいなと感じる自分もいました。
・・・が、目の前の美味しそうな料理には勝てません。
さっそくみんなで「なんちゃって清真料理」をお腹いっぱいいただきました。
ホテルに戻ったのは21時すぎですが、まだ明るい。
やはりこの時間より2時間遅れの新疆時間が現地の生活にあっているなと思います。
7時起床、8時出発。
ホテルのレストランが閉まっているため、外のお店で朝食です。早朝にもかかわらず、がっつり用意してくれました。
ここで、カシュガルから同行してくれたガイドのグリさんとお別れです。ガイドだけではなく、ウイグルのいろいろな話を聞かせてくれました。
これから西域南道をホータンまで約340kmの移動です。
途中、葉城で「新蔵公路ゼロキロ地点」で写真ストップ。この道はチベットのアリまで続いており、通行証があれば通ることができるそうです。
町を抜けると砂漠が広がってきました。
青空トイレで休憩を挟みながらひたすらホータンまで進みます。
ガイドさんによると、このホータンはくるみやお米が特産で、住んでる人は頑固な気質だけど美人が多いとか。
14時、やっとホータンの町に到着。
今日はメーデーということで、街中にはたくさんの人がいました。町の中心部にはたくさんのお店があり、結構栄えています。
まずは遅い昼食のためにウイグル料理のレストランへ。
店内はかなりゴージャスで、その装飾だけでも見ごたえがあります。
メニューはおなじみの、ヨーグルト、ポロ、シシカバブ、ラグメンなど。
ポロは美味しかったけど、シシカバブは硬くてイマイチ。
ウイグルは乾燥しているので全体的に脂っぽい料理が多いのですが、ここのは特にオイリーでした。
食後、同じ建物の一階にあった民族スーパーで、地元でよく食べられているという「マータン」というお菓子を買ってみました。
キャラメルよりもっと強烈な粘りのあるかなり甘い生地が歯にこびりついてくる・・
う~~ん・・ちょっと苦手
ホータン最初の観光は、ユルンカシュ河の西岸にあるマリクワット故城。
古代ウテン国の城砦跡と言われている遺跡です。
広大な砂漠の中に点々としているので、まずは遺跡の入り口でロバ車に乗って中心部まで向かいます。
砂漠の中に敷かれた石畳をのんびりと進んでいくのですが、ゴールの遺跡まではかなりの距離。今日は曇っているからいいですが、これが炎天下だったらかなり暑いかも。
中心部には大きな岩の塊があり、上に登ってみるとあたりが一望できます。
時間ギリギリまで散策してみましたが、特にこれと言って目を見張るものは発見できず。
砦の遺跡といっても、ところどころに岩が転がっているようにしか見えず、知らないできたらただの砂漠だと思ったでしょう。
帰りも子供たちに囲まれながらロバ車で入り口まで戻りました。
マリクワット故城からすぐ近くのユルンカシュ河(白玉河)で、玉探し体験です。
玉は非常に高価な石で、私たちが行ったときも発掘作業が行われていました。
玉は肌触りの良い真っ白な石で、事前に本物を見せてもらっていたので、その記憶を頼りに河原を探します。
河原には似たような石がゴロゴロしているのですが、本物と偽者を素人が見分けるのはほとんど無理で、きっとこれが本物に違いないと、「心の石」の発掘にとどめておきました。
バスに戻る途中、玉を発掘した地元の人に会ったので石を見せてもらったのですが、やはり、さっきたくさん転がっていたのと見分けがつきません。
ガイドさんも含め、全員が「心の石」のみを抱えて、ホータン市街の博物館へ向かいました。
博物館に入ると、そのロビーに大きな玉が飾ってありました。こちらは完全に本物です。
ここまで写真を撮っていいとのことだったので、しっかりと記録しておきました。
博物館の中には、ホータン近郊で発掘された遺跡やミイラなどが展示されており、係りの人がずっとついて説明してくれます。
ニヤなどの有名な遺跡が砂漠に点在していますが、その多くが未だ研究中だとか。
博物館を後にし、本日のホテルへ。
部屋に荷物を置いてから、ホテルのレストランで夕食です。
食事の後、近くの民族スーパーに連れて行ってくれるというので、レストランからそのまま出発。
時刻は21時半ですが、外に出るとまだ明るい。
民族スーパーには漢族は行かないので、私たちがお店に入ると、最初、店員さんに怪訝そうな顔をされましたが、日本からの観光客だとわかると、とても親切に対応してくれました。
ここでは、ホータン名物のお茶を数種類ゲット。
この旅初めてのお土産です。