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中国四川省旅行記-#4

成都観光と上海弾丸ツアー

主な訪問地:川主寺~九寨溝空港~成都~都江堰~成都~上海

四川大地震の爪痕が残る成都郊外にある世界遺産の都江堰は、今でもいたるところに崩れた建物の瓦礫が散見していた。夕食に薬膳きのこ鍋を食べた後、四川名物「川劇」を鑑賞。一瞬でお面が変わるこの技法は国家機密で、厳重に管理されているとか。乗り継ぎで立ち寄った上海では弾丸ツアーも決行。

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中国四川省旅行9日目 川主寺~九寨溝空港~成都~都江堰~成都

再び成都

九寨溝空港7時半ホテル出発。
今日は飛行機で九寨溝から成都へ向かいます。
空港に着くと、昨日フライトキャンセルで足止めをくった人たちでとても混雑していました。
今日もスケジュールどおりに飛ぶか懸念されましたが、なんとか30分の遅延のみで離陸できました。

約1時間で成都に到着。
飛行機を降りると、湿気を含んだ蒸し暑い空気につつまれました。
もう今回のツアーのハイライトはすべて終わってしまったことと、この都会の蒸し暑さに、テンションがだだ下がりです。

四川大地震の爪あと

四川大地震の爪あと最初の観光は、成都の郊外にある世界遺産の都江堰ですが、その前に、向かう途中にあるレストランに寄って昼食です。
このあたりは、2008年5月に発生した四川大地震で大きな被害を受けた場所で、今でもいたるところに崩れた建物の瓦礫が散見していました。
しかしその一方で、新たな建設も着々と進められており、工事中のビルもいたるところに見られます。

中華料理はやっぱりおいしい

ショッピングモールそんな中、おしゃれなショッピングモールの中にあるお店に到着。さすが都会だけあって、今までよりも洗練された料理が並びます。味にうるさい添乗員さんも私達も大満足で食事を終えました。

どこの国に行ってもそうですが、食事が美味しいとうれしいですね。

世界遺産都江堰

内江を渡る橋再びバスに乗り、10分ほどで都江堰に到着。
都江堰は、長い間悩まされていた岷江の氾濫を抑えるために、およそ2000年前に作られた堤防なしで導水する水利施設です。

都江堰の南口に着くと、そこにはたくさんの観光客で賑わっていました。
見る限り、そのほとんどが中国の人で、多くの見るべきお寺などが地震で崩れてしまったためか、日本人、というより外国人観光客はほとんど見かけません。

まずは入り口近くに流れる内江を渡る橋へ。
立派な構えで屋根もついており、中に入るとこれまた素晴らしい装飾が。
天井一面に細かい模様が描かれ、壁には漢字が綴られています。
橋の欄干から内江を見下ろすと、薄茶色をした水がゆったりと流れていました。

つり橋一旦入り口に集まって園内へ入ると、地震によって崩れてしまった建物はフェンスや壁に囲まれていました。
そのため、その姿はほとんど見えず、崩れる前の写真が近くに飾られています。
それを見ると、本当に歴史を感じさせる威厳と美しさを兼ね備えた建築で、実際に実物を見たかったな~という思いが沸々とわきあがりました。

少し歩くとつり橋が見えてきました。
このタイプの橋はこの後も渡るハメになるのですが、これがかなり揺れるので(わざと揺らすヤツが結構いる)、苦手な人にはちょっときついかもしれません。

魚の嘴渡り終わると今度は園内を走るカートに乗って、都江堰の一番奥にある魚の嘴へ向かいました。
ここは、その名の通り、くちばしのような形をした突堤が、豊富な水を湛える岷江を外江と内江のふたつの流れに分けています。
このお陰で水量が分割され、洪水も治まったというわけです。

地震によって崩れたお寺その後、内江に架かる長いつり橋を渡って対岸へ行って見ました。何やら崩れかけたお寺が小さく見えたからです。
容赦なく揺れるつり橋をヨタヨタしながら渡り、渡り終えた後もしばらく体が揺れたままお寺へ向かいます。やはりそれは、地震によって崩れたお寺でした。
まわりは簡易な壁に囲まれて中の様子はあまり見えませんでしたが、数人の人が復旧作業をしていました。チラッと見えた限りでも、その被害の大きさが伝わってきます。

つり橋時間になったので、さきほどカートを下りた場所に戻り、再び乗車して入り口近くまで戻りました。
正直、地震で崩れてしまったものが多く、あまり見るものはありませんでしたが、地震の被害の大きさを少しだけ垣間見た気がします。
早く復旧してほしいと願いつつ都江堰を後にしました。

四川省の民芸品

民芸品都江堰の次に向かったのは、シルクのお土産屋さん。
といっても扱っているのはそれだけではなく、影絵の壁飾りや屏風、その他小物類など、四川省の民芸品も数多くありました。
品物は良いかわりに値段もそこそこしますが、今回のツアーで最後の大きなお土産屋さんということで、みなさん結構買っていました。

薬膳きのこ鍋

薬膳きのこ鍋買い物のあとは、ちょっと早めの夕食に市内のレストランへ向かいます。最後の夕食は薬膳きのこ鍋。
烏骨鶏と朝鮮人参でとった贅沢なスープのなかに、いろいろな野菜やきのこを入れて、特性味噌ダレ(←かなり美味い)につけていただきます。
食べ始めるとみるみる体が暖まり汗ばむほどでした。

伝統芸川劇

川劇の劇場もっとゆっくりしていたかったのですが、この後、四川省の伝統芸の「川劇」を観にいくので早々に出発。オプションだったので、行かない人はホテルへ戻ります。

川劇の劇場はバスで10分くらいのところにありました。中へ入ると、結構豪華な座席が並び、座り心地もなかなかです。観劇中は写真・ビデオ撮影もOKなので、みんなカメラ持参でした。

19時になり、いよいよショーの始まりです。
チャイナドレスに身を包んだ司会の女性がステージに現れ、中国語と英語でご挨拶。
来る前は、影絵と川劇だけだと思っていたのですが、他にも、歌や雑技、さらにはコントまであるようです。

川劇着々と演目が進んでいき、お待ち兼ねの川劇が始まりました。色鮮やかな衣装とお面をつけた役者さんが登場。
会場のテンションも一気に上がります。
川劇は一瞬でお面が変わる芸で、その技法は国家機密だとか。
そしてあれよあれよという間にさっそく変化。マントで一瞬顔を隠したと思ったらもう別の面に変わってしまいました。

すご~~~い!

思わず声を上げてしまいます。
会場からも拍手喝采。

実は見る前にガイドさんから、

目の前で見てもわからない

と言われていたのですが、まさかそこまでは…と半信半疑でした。しかし今のところ、本当にどうやっているのか全くわかりません。

川劇少しすると客席の方にも下りて来て、ガイドさんの言ったとおりすぐ近くで見ることができました。
見事な早技で次々とお面が変わっていきます。
しかし、興奮も最高潮に達した頃、

あ・・・

一瞬、見えるはずのないものが見えてしまいました。
知ってしまうと感動も半減してしまうので詳しくは書きませんが、お面が変わる途中のひとコマを目がキャッチしてしまったのです。

ええぇぇ~~…

一気に興奮が冷めていくのが自分でもわかりました。
しかし名誉のために付け加えると、それでも川劇の国家機密の一部分だけがわかっただけで、素顔の顔からお面になる技や元のお面に戻る過程は、やはり最後までわかりませんでした。

約1時間半のショーが終わり、少々消化不良のままホテルへ戻りましたが、四川に来て、本場の川劇を見れたことはいい思い出です。
複雑な気持ちのまま、最後の夜にふさわしい5つ星ホテルで眠りにつきました。

中国四川省旅行10日目 成都~上海~成田

成都出発

機内食今日でこのツアー最後の日です。

7時15分、行ったり来たりと細切れに合計3泊したホテルを出発。まだ早朝の成都の町を空港に向けて走ります。
雨の多いこの町で、結局今回は一度も降られませんでした。

空港で、成都からこっちのガイドさんとお別れ。
お決まりの検査や手続きをして飛行機に乗り込みます。
乗り継ぎの上海まで約2時間半のフライト。

上海弾丸ツアー

リニアモーターカーの改札上海には定刻より早く着き、添乗員さんは大喜びです。
なぜなら、これから乗り継ぎの数時間を利用して、上海弾丸ツアーを決行するからです。
このスケジュールは全く時間的余裕がないので、もし飛行機が30分でも遅れたらアウト、定刻でも場合によっては駆け足あり、という強行軍です。
これをやると言ったら、上海担当のガイドさんに呆れられたとか。

しかし、ラッキーなことに今回は、20分(たしか)も時間が稼げました。とはいえ、油断は禁物。
さっさと乗り継ぎのチェックインをしてさっそく出発。空港直結のリニアモーターカーの駅へ向かいます。
日本の新幹線よりも早い時速400キロを超えるこの乗り物は、時間短縮にはもってこい。日本では体験できないスピードも味わうことができます。

リニアモーターカーホームで待っていると、とんがった車体がゆっくり入ってきました。
折り返し運転のため、すぐに乗り込んで好きな席に座ります。出発間際になっても車内はガラガラでした。

事前の話によると、行きは時速がそれほど上がらないので、400キロ体験は帰りになるとか。
しかし、それでもかなり早かった。
スピードがのってくると、近くの景色は瞬間的に通り過ぎ、あっという間に終着駅に到着。
帰りのスピードを楽しみにしつつ、地下鉄に乗り換えます。

荷物検査上海の地下鉄では、改札で荷物検査があり、空港のと同じようにX線を通します。
ホームや車内は結構ひろくてきれいで、日本のと変わりません。

ただ、お年寄りが乗ると、10代20代の若者がすぐに席を譲っていました。
他に席が空いていても、近くにいる人が、もう普通に自然に、あたりまえのように席をたつのです。

そんなの当然だ

と言えばそれまでですが、少なくとも東京で、毎日の通勤中に見る光景は、それとは程遠いものがあります。
これには本当に感心しました。

南京路さて、何駅か目の駅で下りて地上に出ると、そこは東京でした。
と錯覚するほど見慣れた風景が広がっていました。そして上海では珍しいという青空が広がり、サンサンと太陽が降り注いでいます。

あ~あつい…

実はこうなるんじゃないかと思って、あらかじめ薄着の服を用意し、上海の空港に着くなり着替えていました。でもやっぱり最後の最後でこの蒸し暑さはきついです。

そんな暑さもお構いなく、おしゃれをした若者が楽しそうに歩いています。
ここは南京路という上海一の繁華街で、ファッショナブルな背の高いビルが立ち並び、東京で言えば渋谷か新宿かあたりでしょう。

地下鉄の出口からすぐのところにあるトラムに乗り、繁華街のはしっこの終点まで行きます。

上海料理そこから10分ほど散策しながら、昼食を食べる上海料理のレストランへ行きました。
一本路地に入るとまったく人影がなくなりましたが、お店に入ると中華料理屋さんらしい煌びやかな装飾がされています。個室に案内され、みんなで食べる最後の食事には相応しい場ですが、なんせ時間がないので、感傷に浸る間もなくモクモクと食べるのみ。
忙しいサラリーマンの昼食のごとくにたいらげ、消化不良のまま空港へ向かいました。

430キロ越え帰りは、レストランから少し歩き地下鉄に乗って、未知の400キロ体験が待っているリニアモーターカーに再び乗り込みます。
発車するとみるみるスピードが上がり、ついに430キロ越え。
風情もへったくれもない流線形になった景色がビュンビュン過ぎ去っていきます。

十分に速さを堪能したところで、無事時間通りに空港に着きました。
本当に弾丸のごとく駆け抜けた上海散策でしたが、同じ飛行機に乗ってきた他のツアーの人が、ずーっと空港で待っていたという話を聞くと、強行であってもこの予定を組み込んでくれた添乗員さんに感謝です。

帰国

夕暮れの上海空港成田行きの飛行機も15分ほどの遅れでだけで無事離陸し、2時間半後成田に着きました。
ターンテーブルでみんなと別れ、そこから家に帰り着いたのが夜中。
明日からさっそく仕事なので、けっこう辛いですが、飛行機の時間が短かったので、なんとか気合で行けそうです。

総評

九寨溝今回は本当に何事もなく、スケジュール通りに行程がすすみました。

いつもの旅行に比べると、若干、消化不良の部分もありましたが、九寨溝の美しさはやはり一見の価値があると改めて思いました。

 中国は身近な国ということもあり、料理や風景、建物も中東などに比べたら、日本とそんなに違いはないので、異国に来たという感じはあまりありませんでしたが、その分海外旅行にあまり行ったことのない人でも、そんなに抵抗なく行けるのではないでしょうか。

世界遺産となった九寨溝や黄龍は、観光するための設備はとてもしっかり整っているので、トイレなどの心配はなく楽しめると思います。
ただ、やはりそうは言っても、山奥の秘境であることは間違いないので、どこかの高級リゾート並みのレベルを期待するのは筋違い。
今回周ったところを見れば、ホテルは暖房もないし停電もしますが、あんな山奥でちゃんとしたベッドで眠れることだけで十分だと割り切って行くのが旅行を楽しめる秘訣だと思います。

旅行を計画している方は、世界的に知れ渡る前に行くことをお勧めします。

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