主な訪問地:張家界(武陵源)
中国湖南省「武陵源」の最終日は、アジアで最大規模のカルスト鍾乳洞「黄龍洞」と黄石寨や金鞭渓などの見どころがある張家界国立森林公園の観光。巨大な洞窟内の幻想的な造形の中を徒歩とボートで巡ったり、森林公園では林立する石柱の間をロープウェイで渡り迫力満点の景色を楽しんだ。
朝起きると青空が広がりいい天気。
とても気持ちが良かったので、朝食の前にホテルの中庭を散策してみました。大きなプールと庭園があり、庭園からホテルの裏へ出られるようになっています。
散歩の後は朝食。昨日と同じ会場です。
メニューの内容も同じようなものですが、種類が色々あるので飽きません。野菜がたくさん摂れるのも嬉しいです。
9時、ホテル出発。
日差しが強くどんどん気温が高くなってきている感じで、ロビーにいてもすでに暑い。
バスに乗ってまずは今日の予定の説明。
=====ガイド=====
これから黄龍洞の玄関口までいく。
中国では山が素晴らしいところには鍾乳洞が必ずあると言われていて、例えば、桂林とか有名。これから行く黄龍洞は、半分が山の中で半分が地下に広がっている。中国の人は竜王様が大好きで、鍾乳洞の中には、龍の頭の形をした岩もある。
鍾乳洞の中の観光方法はふたつあり、ひとつは3時間くらいかけて全部歩く方法、もうひとつは船に乗って観光する方法。私たちは往復船にのって行く。船に乗るのはだいたい30~40分くらいで、船の乗り場まで入口から15分くらい歩く。
午後は、張家界国立森林公園へ移動する。ここは、中国で最初の国立の森林公園で、その中にふたつの主な見どころがある。ひとつは、黄石寨で昨日訪れた袁家界のような場所。もうひとつは金鞭渓という渓流。
湖南省は森がたくさんあるので中国で一番空気が綺麗なところ。
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黄龍洞の駐車場までは、ホテルから20分ちょっと。道すがらに車窓から見える町中は、よく
整備されて散歩するのも楽しそうです。
バスを降りてから鍾乳洞の入り口まで、20分ほど歩いていきます。
お土産物屋さんや飲食店が並ぶ通りを抜け、大きな橋を渡ると綺麗な公園が広がっています。
その中にある巨大な水車はちょっとした見もの。いくつもの歯車が複雑に入り組み見事な連携プレーを披露してくれています。
芸術的な水車からさらに奥へ進んで階段を上るとやっと洞窟の入り口が見えてきます。その手前に並ぶための通路があり、この日はすぐに入れましたが、混んでいるとここも人でいっぱいになりそうな感じ。
洞窟内に入ったとたん、乾燥した涼しい空気に包まれ心地よい。当然ながら強い日差しも届かないので目も休まります。
内部は、赤、青、黄などの光でライトアップされ、まるで何かのテーマパークのよう。ずっと続く遊歩道はしっかりと作られ、サンダルでも歩けるレベルです。
少し行くと通路が二手に分かれた場所に出て、右を通ると「幸運」、左を通ると「長寿」を得られるのだそう。帰りもここを通るので、行きは「幸運」、帰りは「長寿」を通ってみました。
さらに奥に行くと、大きなドーム上の空間が広がり、立派な鍾乳石がライトの光の中に浮かび上がっていました。他にも大小様々な石柱があちこちにあり、今回通ったルートの中でも最大の見所のひとつ。
その先に、これから乗る舟の船着場がありました。行列用の柵が設置された光景は、それこそよくある遊園地の乗り場そのもの。このあたり一帯が、自然に作り出された鍾乳洞ではなく、人工的に創られたものだと思えてしまうのは私だけではなかったと思います。
さらに、乗り場まで下りていくと、傍らに充電装置とそれに繋がれた舟がずらりと並んでいました。幻想的な大自然と、その中に連なる近代的なスタンドというこの光景は、ある意味一番印象に残ったかも。
ここでもそれほど待つことなく二隻に分かれて乗船。
暗い中けっこうなスピードで進んでいくと、さきほどガイドさんが言った龍の頭の形をした岩がありました。これにもライトアップがされ、龍の顔に見えるようになっています。
ところどころに暗闇に浮かぶ白い光の線は、歩いて観光するための通路。洞窟の奥の方まで続いていて、これはこれで楽しそう。
舟を降りてから、再び同じ通路を通って出口へ向かいます。行きと違って見る角度が違うので、また別の景色に見えました。
今回は、舟で簡単に観光しましたが、時間と体力に自信がある人は、遊歩道を歩いてみるのもいいと思います。
涼しくて快適な鍾乳洞から出ると一気に暑さが襲ってきました。入った時よりさらに強くなったような日差しに目を細めながら駐車場に向かいます。
再びバスに乗り30分ほど移動して、張家界国立森林公園のゲート近くにあるレストランでランチです。
添乗員さんが移動中に、中華料理も含まれる世界三大料理について話をしてくれました。
=====ガイド=====
中華料理
中華料理が食べられない国はないくらい世界中に広まっているということと、四足のもので食べないのは椅子と机と言われるくらい食材が豊富で、どんな地域でも自給自足でそれなりの料理ができること、長い歴史をかけて皇帝に出すための料理が研究されてきたこと、世界各地から中国を訪れる多くの人が中華料理を食べて認めていったことなどが挙げられる。
トルコ料理
イスタンブールのボスポラス海峡からはアジアとヨーロッパの大陸が肉眼で見えるほど近くにあり、文明の十字路と同時に食の十字路でもあった。自給自足で食材や料理の種類も豊富、ヨーグルトの発祥の地など食文化が発達していて、シルクロードを行き交う世界中の人々の舌を昔から唸らせていた。後にオスマントルコの帝国となり、歴代の皇帝たちに捧げられた料理も格別だった。
→トルコについての詳しい旅行記はこちら
フランス料理
ルイ13~16世の時代に、ベルサイユ宮殿で花開いた食事の文化。あちこちから訪れる友人たちに出された絢爛豪華な料理は、シンプルな調理方法だがソースが素晴らしく多くの人を感動させた。それを食べた人があちこちに散らばり世界に広がって行ったことからフランス料理も三大料理のひとつになった。
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ちなみに浅草生まれの添乗員さんは、「なんだかんだ言ってもやっぱ日本料理が一番だと思います」と言っていました。これには私も一票。
バスを降りてお店まで歩いていると、道端に近々食材となるオオサンショウウオやカエルなどが並んでいました。さっそくさきほどの話しに出てきた「食材が豊富」なことがわかります。
レストランはその通りの二階にあり、私たちは個室に案内されました。
この日のメニューは、チャーハンやきのこのスープなど。
外が暑くてちょっとぐったりしていましたが、熱々の中華料理を食べるとやっぱり元気が出てきます。
食事を終えて一階へ下りると、ロビーで少年たちが囲碁をしていました。碁盤をじっと見つめて考え込む顔は真剣そのもの。もしかしたら彼らの中からプロが生まれるかもしれない。
だんだん、空が曇ってきたのが気になりますが、スタミナも回復したところで午後の観光に出発です。
レストランの外に出ると張家界の地図が配られました。
=====ガイド=====
この地図には、張家界の観光ポイントが詳しく載っている。午後の観光は、地図の左下の方にある金鞭渓と黄石寨が中心。
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ここから張家界国立森林公園のゲートまで5分くらい歩きます。
道にはたくさんの露店がならんでいて、ゲート前の広場には武陵源の絵を描いた画家の「吴冠中」の銅像が建てられていました。
ゲートを入って少し歩くと絶景ポイントがあるので写真ストップ。
ニョキニョキと立つ巨大な石柱を下から見上げるのも迫力があります。
ここには綺麗に整備された公園もありましたが、私たちはそこには入らず、黄石寨のロープウェイ乗り場まで行くバスの停留所まで向かいました。
もし時間があればこのあたりを散策するのもいいと思います。
バスに乗って黄石寨のロープウェイ乗り場へ行くと、映画『アバター』のポスターが貼ってありました。ポスターの中には武陵源の風景写真が入っていて、アバターとコラボした武陵源の宣伝になっています。
また乗り場には、写真撮影のサービスもあり、あとでその写真が気に入ったら買うことができます。
ゴンドラは8人乗りほどの大きさで、全体のカゴの中の5つだけが床がガラス張りになっているのだそう。
あいにく(幸い)そのカゴにはあたりませんでしたが、ツアーメンバーの中の一部がそれにあたり、降りたあと写真を見せてもらいました。
ロープウェイから見える景色は下の写真のような感じなので、もしガラス張りのにあたったら、特に高所恐怖症の人にはかなり怖い体験になるかもしれません。(実際、ガラス張りのカゴじゃなくても固まっている人がいた)
あえてガラスのに乗りたい人は、そのときの係員や状況によって変わってくると思いますが、それががくるまで待っていることもできるようです。
頂上まではほんの5~6分ほどで到着しますが、その短い時間で見られる景色はかなり迫力があり、ツアーメンバーの中でも、これに乗ってこの景色が見られただけでも来た甲斐があったとの声があがっていました。
ロープウェイから下りて、まずは五指峰の展望台へ向かいます。黄石寨は、武陵源の中でも絶景が見られるポイントなので、どんな景色が広がっているか楽しみ。
途中には植物園などもあり、武陵源の様々な植物が育てられていました。
展望台への階段はけっこう急なので雨が降ったりすると滑りやすそうですが、上からは期待通りの見事な景色を見ることができました。
続いて、少し離れた場所にある摘星台に移動。こっちもすごい!
今回は、曇ったり薄日が差したりという天気でしたが、雲海が湧くととても幻想的な景色になるそうです。
最後に展望台近くの六奇閣に行ってみました。
六奇閣は上まで上ることができ、途中の階や最上部から外の景色を見ることができます。ちょっと下の方には、さきほど乗ってきたロープウェイの姿もチラリ。
黄石寨の観光を終え、行きと同じロープウェイに再び乗車。
今回もガラスの床のカゴにはあたりませんでしたが、壮大な風景を堪能することができました。
ロープウェイを下りて、次は金鞭渓へ向かいます。
金鞭渓は、サンショウウオも生息する清流が流れる渓谷で、武陵源の石柱を森の中から見ることができます。多種多様な植物も自生しているため、フラワーウォッチングを楽しんでいる人もいました。起伏もほとんどなく、森の木々が日光を遮ってくれるので暑さも和らぎほっとできるエリアでもあります。
森林浴をしながら歩いていると、木々の間から天に向かってそそり立つ石柱が姿を現します。中には300mにもおよぶ巨大なものもあり、上から覆いかぶさってくるような迫力。特徴のある岩には名前が付けられていて、「金鞭岩」や「母子峰」などが有名です。
20分ちょっと進んだところにある「金鞭岩」の景勝地で折り返し、森林公園のゲートへ戻ります。
時刻はもう16時ですが、ゲートを出るとまだまだ多くの観光客の姿がありました。涼しくなってくる夕方から訪れる人も多いのでしょう。
帰るときになって日差しが出てきたのが残念でしたが、道沿いに並ぶお店を見ながらバスに戻りました。
森林公園から深い山間を縫ってホテルへ戻ります。
夕食までまだ少し時間があったので、ホテルの周辺を散歩してみることに。
外に出ると広々とした道の向こうに武陵源の山並みが見えました。
山の方とは反対方向に川があったのでそちらへ向かいます。
街の中心地はどこもかしこも新しく、建設中の観光客用のショッピング施設なども見られます。しかし、道端には臭豆腐や果物の露店もあり、昔ながらの光景もありました。
ホテルから川まではほんの5分ほど。
川には立派な橋が架かり、綺麗な水が流れています。
橋の手前にあるまだ工事中のショッピング施設になる(らしい)場所に入ってみました。
ここからも川を見下ろすことができ、裏側にある広いデッキからは武陵源の姿も見ることができます。
デッキから上の階への階段があったので上ってみました。
上はまさに工事の真っ最中でしたが、入ってもいいというのでお邪魔してみると、建物に遮られることなく山が綺麗に見えます。
これからどんどん開発が進みそうですが、そうなったらもっと混むんだろうなと思いつつホテルへ戻りました。
この日の夕食は、ホテルのレストランでいただきます。
さすが5つ星のホテルだけあり、その内容はとても豪華で味も申し分ない。盛り付けも綺麗なので写真の撮り甲斐もあります。
武陵源は、今回のツアーの中で一番体力を使いメインの場所だったため、それが終わったということで、早くもやりきった感が沸いていました。他のツアー参加者とも打ち上げ気分で乾杯。ビールも冷えていて美味しかったです。
食事の後、このホテルに泊まるのも今夜が最後なので、ホテル内を散策してみました。
吹き抜けの二階にいくと、いかにも高級そうなお茶屋さんがあったので恐る恐る入店。ガラガラの店内では手持無沙汰の店員さんが、色々なお茶を入れてテイスティングさせてくれました。品物はやっぱり高めですが、美味しいお茶を味見できるので立ち寄ってみるのもいいと思います。