箱根旅行記#2
箱根神社参拝と「箱根湯寮」で立ち寄り湯
2日目:姥子~大涌谷~箱根神社~元箱根~(海賊船)~桃源台~強羅~塔ノ沢~箱根湯本~新宿
夜明けの露天風呂と和洋食のバイキング
朝のお風呂は5時からオープン。たまたま、5時前に目が覚めたのでがんばって行ってみました。さすがに一番風呂かと思ったのですが、すでに先客が一人。早いな~このホテルの露天風呂からは富士山が見えるので、まだ薄暗い中夜明けを待ちます。
だんだんと明るくなってくると、昨日降り積もった雪があたりを白く染めているのが見えてきました。しかし肝心の富士山は雲の中。しばらく待ってみましたが、残念ながら見えませんでした。
部屋に戻って少し休んでから朝食です。8時前後は混むと言っていたので7時過ぎに行くと、それでも結構な盛況振り。窓の外には朝日に照らされた雪景色が広がっています。メニューは和洋食のバイキング。たくさんの種類があって、野菜とか玉子料理が美味しい。特にスクランブルエッグは最高でした。
朝食のあと、諦めきれずにもう一度露天風呂に行ってみました。すると、一瞬だけ雲が切れて富士山の頭がお目見え。本当にチラッとだけでしたが、青空を背景に真っ白に輝いていてとても綺麗でした。
それにしても、この時期に、雪がこんなに降るとは思っていなかったのでちょっとびっくりです。
9時にホテルをチェックアウトし、姥子駅まで送迎車で送ってもらいます。雲の間から時折日差しが差し込みますが、快晴とはほど遠い天気。これから晴れることを祈りつつ出発します。
大涌谷
ロープウェイに乗り、まずは大涌谷にリベンジ。しかし、上空の雲は垂れこめたままで、風も強くて寒いので、今回はもう諦めて次へ行くことにしました。でも雪景色は、それはそれで美しい。
箱根神社
再びロープウェイに乗って桃源台まで行き、そこからバスに乗って「小田急 山のホテル」まで。さらに10分ほど歩いて、パワースポットで有名な箱根神社へ行きました。まだお昼前ですがたくさんの観光客が訪れていて、特に外国の団体さんが目立ちます。杉林の中に続く階段を上り、まずは、赤くて美しい本殿にお参り。
箱根神社
御祭神 箱根大神
瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)
彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)
木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)
由緒
箱根神社は、古来関東総鎮守箱根大権現と尊崇された名社で「交通安全・心願成就・開運厄除」に御神徳の高い運開きの神様として信仰されています。
当神社は、人皇第五代孝昭天皇の御代(2400年前)聖占仙人が箱根山の駒ヶ岳より、主峰の神山を神体山としてお祀りされて以来、関東における山岳信仰の一大霊場でありました。
奈良朝の初期(1200年前)萬巻上人は、ご神託により現在の地に里宮を建て、箱根三所権現と称え奉り、佛教とりえわけ修験道と習合しました。平安朝初期、箱根道が開通しますと、往来の旅人は道中安全を祈願しました。
鎌倉期、源頼朝は深く当神社を信仰し、二所詣(当社と伊豆山権現参詣)の風儀を生み、執権北条氏や戦国武将の徳川家康等、武家による崇敬の篤いお社として栄えてきました。
近世、官道としての箱根道が整備され、箱根宿や関所が設けられますと、東西交通の要(道中安全の守護神)として当神社の崇敬は益々盛んになり、庶民信仰の聖地と変貌しました。
こうして天下の険箱根山を駕籠で往来する時代からやがて車社会に変わる近代日本へと移行しますが、その明治の初年には、神仏分離により関東総鎮守箱根権現は、箱根神社と改称されました。爾来、明治六年明治天皇・皇后両陛下の御参拝をはじめ大正・昭和・平成の現代に至るまで、各皇族方の御参拝は相次いで行われました。
昭和五十五年、昭和天皇・皇后両陛下の御参拝につづいて翌五十六年、皇太子浩宮殿下も御参拝になりました。現在、箱根に訪れる年間二千万人を越える内外の観光客を迎えて、ご社頭は益々殷賑を加えているのも、箱根大神の御神威によるものであります。(案内板より)
境内のご案内
宝物殿:万巻上人像・箱根権現縁起絵巻・赤木柄の短刀など国指定重文を始め、秀吉の恋文・大石内蔵助の金銀請払帳等古文書、刀剣、絵馬類百数十点を収蔵列品し、ほかに曽我兄弟、箱根用水関係のコーナー、神道資料も設けられています。
矢立ての杉:延暦110年(801)征夷大将軍坂上田村麻呂が東北平定の折、当社に参詣表矢をここに献じ、また前九年の役(1051)に出陣した源頼義や、源頼朝以後の武将達もこれに習い表矢を献じて勝運守護を祈り成就しました。
曽我神社:日本三大仇討ちの一つとして有名な曽我兄弟をおまつりする社で、表参道脇に建つ。五郎は父を失ったあと、当社権現の別当行実に預けられ稚児となり、源頼朝の二所詣の折仇敵工藤祐経と出会い赤木柄の短刀(重文指定)を授けられたが、結局剃髪を嫌い箱根山を降り元服して五郎時致と名乗り、兄十郎裕成とともに箱根権現に祈請し、行実僧正より宝剣二振を頂き、建久四年(1193)仇討本懐を遂げました。
安産杉:古くから、この大杉を健全な母胎と見なして、子授け・安産を祈願する信仰が有り、源頼朝の妻北条政子も当神社に祈願して頼家・実朝を無事出産しました。
ヒメシャラ純木林:自然林として北限にあたり、七月上旬に純白の可憐な花が咲く。赤い木肌も美しい県指定の天然記念物です。
万巻上人の奥津城:九頭竜伝説で著名な、箱根権現中興の開山万巻上人の奥津城(お墓)は神社裏山にあって箱根神社と駒ヶ岳・神山を結ぶ直線上に位置しています。
鉄湯釜・浴堂釜:十三世紀元寇の時、外敵調伏の大祈祷護摩が行われた。そのころ鋳造されたもので、国指定の重要文化財です。(案内板より)
四季の主な祭典
湖水祭 7月31日:特殊神事の湖水祭は、湖に棲む九頭竜を調伏した万巻上人の故事に基くお祭りで、先ず始めに庭上で祭典を奉仕し、次に宮司一人船に乗って湖心に漕ぎだし、古来の伝承による三升三合三勺の赤飯を櫃に納めて湖水に鎮め九頭竜明神に捧げます。
例大祭 8月1日:神社創建の起源を物語るお祭りで湖水祭の翌日に斎行される。御本殿の御扉が開かれ、海川山野の種々の珍物を神に供えて天下泰平万民豊楽を祈りお祭りを行います。当日を中心に神賑のいろいろな行事が繰り広げられます。
節分祭 2月立春の前日:その昔、箱根権現の巫女として仕えた山姥や、足柄山中で養われた坂田金時などに扮した人々が鬼追いの追儺式を行います。水上スキーによる打豆は有名です。
元宮祭 10月24日:駒ヶ岳山頂の古代祭祀遺跡の岩垣に囲まれた祭壇で、神山を真正面に拝して斎行されます。祭典で燧り出された浄火は、山を下りて湖面を渡って箱根全山の各神社を巡行し、世界平和祈願祭が斎行されます。
曽我神社例祭 5月28日:御祭神の故事にちなんで、傘焼の神事・居合道の奉納等が行われます。
大祓 6月30日・12月31日:大祓は、神代から行われている祓の神事で、六月と十二月の両度行い、それぞれ半年間知らずはからず犯してきた種々の罪穢を、清めることにより、見も心も共に清々しく甦らせ心気を一新して、各自に努めにいそしみ励む決意を固め、一家の幸福を増進せんとする意義深い行事です。御一家お揃いでご参列下さい。(案内板より)
毎月の祭典(誰方もご一緒に参加できます。)
月首祭 毎月1日午前7時:祭典と朝詣会が行われ、朝餉を一緒に頂きます。
月次祭 毎月15日午前9時
九頭竜神社月次祭 毎月13日午前10時:午前9時に、元箱根の伊豆箱根遊覧船桟橋から船が出ます。
万巻上人奥津城月次祭 毎月24日午前9時
箱根元宮月次祭 毎月24日午前10時(案内板より)
お参りした後、龍神水の方へ回ります。
九頭の竜の頭が一列に並んで水を吐き出していました。
箱根神社の龍神水
境内より湧き出ずるこの水は
箱根大神の鎮座す箱根山を源とし
権現御手洗の池と称奉り
九頭龍神が御守護り給う芦ノ湖を
湧き満たす龍神甘露の水である
故に掌にうけて口を漱げば
一切の不浄を洗い清め
家の神棚に供へて
用ふれば家内清浄
縁起の養生となる
ご参拝の皆様には神山駒ヶ岳を背景に水盤の芦ノ湖を満たし溢るる霊水「箱根神社の龍神水」で心身をお清め下さい(案内板より)
ふと本殿の方を見ると、早くもお参りの行列ができていました。この日は土曜日だったからかもしれませんが、休日などの混む日は午前中の早い時間に来たほうがいいかもしれません。
境内を後にし、芦ノ湖の湖畔に建つ鳥居にまっすぐ続く階段をずっと下りていきます。箱根神社の本殿と芦ノ湖の鳥居を繋ぐ杉林の中の参道は、とても神秘的で心地よい。参道の真ん中は、箱根神社に来る神様が通る道なので端っこを歩きましょう。
木々の間からキラキラ輝く湖面が見え、そのほとりに大きな鳥居が建っていました。その脇に遊歩道があり湖畔を歩いていくことが出来たので、散歩がてら気持ちのよいその道を通り元箱根まで行きました。
元箱根港から海賊船に乗船
元箱根港から、海賊船で桃源台まで芦ノ湖を縦断します。約30分の乗船ですが、かなり混んでいて真ん中の席だと外の景色もあまり見えずイマイチ。
強羅でランチ
桃源台からロープウェイで終点の早雲山駅まで行き、ケーブルカーで強羅まで。
すでに14時近かったので、ここでお昼ごはんにしました。いろいろ物色して、駅近くのお店に決定(名前忘却)。もうおなかがペコペコだったので、私はがっつりとカツ丼、友人は親子丼を注文。こちらのお店の食材は地元のものにこだわっていて、たまごやお肉が美味しかったな~
箱根登山鉄道で塔ノ沢まで
強羅からは箱根登山鉄道に乗って、立ち寄り湯をするために、箱根湯本のひとつ手前の塔ノ沢まで向かいます。
箱根登山鉄道
スイスレーティッシュ鉄道との友好
箱根登山鉄道とスイス、レーティッシュ鉄道との関係は、明治時代「天下の険」箱根の山に鉄道を敷設する際に、同鉄道(当時のベルニナ鉄道)を模範としたことに始まります。
両社は、箱根湯本~強羅間開通60周年を迎えた1979年に姉妹鉄道宣言を行い、姉妹提携を結んだ現在においても、古くからの友好を大切にし、共に国際的観光地における山岳鉄道として親善を重ねています。
その記念として、強羅駅にはスイスより友好のカウベルが、ティラノ、アルプグリュム、サン・モリッツの各駅には日本語(カタカナ)で駅名が彫られた駅名板が当社より寄贈されています。またベルニナ線では「箱根」と命名された車両が走っており、当社では1000形車両が「ベルニナ号」、2000形車両が「サン・モリッツ号」の愛称で運行しています。(案内板より)
箱根登山鉄道 土木遺産認定(認定日:2007年11月1日)
箱根登山鉄道は、わが国唯一の本格的山岳鉄道として1912年に箱根湯本~強羅間の敷設工事を開始しました。天下の険、箱根に鉄道を敷くという大事業にあたって、山岳鉄道の本場スイスに技術を学び、箱根の自然を損なうことのない路線とすべく、建設を進めました。途中3ヶ所にスイッチバックを設置、1000分の80の急勾配や半径30mの急カーブなど、当時の最新技術を駆使し起工より6年半、数々の困難を乗り越え1919年に開業しました。その中で特筆すべきは、箱根外輪山を結ぶ早川橋梁、通称「出山の鉄橋」の架設です。全長60.65m、早川の水面からは約43mの高さがあり、技術史的に見ても大変貴重なものです。今日、そのような苦難の歴史、文化、土木的価値が評価され、箱根登山鉄道全線が社団法人土木学会より「平成19年度選奨土木遺産」に認定されました。(案内板より)
この日の車内は、軽い通勤電車なみの混み具合。途中何度か時間調整の停車やスイッチバックを繰り返し、のんびりと渓谷の中を進んでいきます。
目的地の塔ノ沢へ着いて、そこで下車したのは私達だけ。無人駅で改札もないので、電車に乗っていた車掌さんが降りてきて切符をチェックしてくれます。なんてのどかなシステムなんだろう。
電車が去ってしまうと、今までの人ごみと喧騒とはうってかわって、自然の音だけがする静けさが訪れました。
立ち寄り湯「箱根湯寮」
駅から雰囲気ある路地を歩いて、立ち寄り専用の「箱根湯寮」へ行きました。ここはフリーパスを持っていると割引になります。
とても趣のある建物で、お風呂もたくさんありますが、人気の施設のようでお客さんがかなり多い。タイミングによってはあまりのんびりできないかもしれませんが、平日などすいている時ならいろいろなお風呂が楽しめるのでおすすめ。
私は一番渓谷側の岩風呂にいたのですが、まわりを木々に囲まれ、その間を涼しい風が吹き抜けてとても気持ちよかったです。
箱根湯本
そこで一時間少々すごし、施設の無料送迎バスで箱根湯本まで5分ほど。
帰りのロマンスカーまでまだ少し時間があったので駅前の温泉街をふらふらし、街角で売っていた温泉饅頭をお土産に買いました。
さらに、実は今回、箱根でドラえもんのスタンプラリーが開催されていて、いくつかのポイントに設置してあるキャラクターのスタンプを集めると、ドラえもんの記念グッズがもらえるということで、この旅行の間集めていました。そして、6つあるうちの5つを集めることが出来たので、オリジナルのクリアファイルをゲット。いいお土産ができました。
ロマンスカーで新宿へ
時間になったのでロマンスカーに乗り新宿まで一直線。帰りのは行きのとはまた違った内装でおしゃれです。夕暮れの空に富士山も綺麗に見えました。
今回は1泊2日でしたが、箱根は見るところがたくさんあるので、今度はもう少し長い日程で遊びに行きたいなと思います。
箱根フリーパス
今回利用した箱根フリーパスは本当に便利で、箱根のいろいろな場所をまわりたい場合は断然おすすめ。いちいち切符を買う手間が省けるという利便性はもちろん、その時の状況に応じて、いくつもの交通手段を乗り降り自由で使えるというのは、実際かなり助かりました。
今回の場合、同じ乗り物に何度も乗ったので、金額的にも個別に切符を買うより安く上がったのは間違いありません。さらに付属しているクーポンで、いろいろな施設を割引料金で利用できるのもお得です。2日用、3日用とあるので、日程に応じて利用してみてはいかがでしょう。