四阿山トレッキング記#2
四阿山登頂と外国の風景のような四阿高原
四阿山登頂
「ショッキングポイント」で心が折れながらも、せっかくここまでがんばったんだしと自分を励ましさらに登っていきます。途中からまた雪道になり、それがほとんど山頂まで続いていました。
山頂直下から上までは、さきほど遠くから見たほど急登ではなく、ザクザクの雪が階段のような役割をしてくれて案外登りやすかったです。振り向くと「花の百名山」といわれる根子岳も見えました。
頂上に着くと、360度見渡す限りの絶景が広がっていました。
奥の方に祠が見えたのでそちらの方に行ってみますが、雪が積もっているせいか山頂はけっこう狭く、祠の手前の数メートルは両側がスコーンと切り落ちた細い道になっています。
四阿山ってもっとなだらかだと思っていた・・
とにもかくにも、山頂まで4時間(ルートマップでは3時間半)、泣き言を言いながらもなんとか登頂できました。
時刻は12時半。持ってきたおにぎりなどで絶景を見下ろしながらのランチ。山頂には他に3人ほどの登山客がいて同じようにお昼を食べていましたが、なにしろ雪で覆われて狭いのでゆっくり座って食べられるのは5~6人くらいがいいところでしょう。
後から登ってくる人もいたので、帰りの時間も気になるし長居はしないで早々に下山を開始しました。
四阿山山頂から下山
帰りはもっと雪に埋まると思ったので、下山の前に山頂でスパッツを装着。これが大正解でした。ズボズボ足を沈めながら雪の斜面を下りていきます。山頂からの雪道は20分くらいで終わり、その後はしばらく歩きやすくなります。
登山道にはチラチラと人の姿も見かけるようになり、中には外国の人もいました。菅平高原への分岐にくると、だいたいの人がそっち方面から行き来しています。
そこを過ぎると、再び雪が登場。下の方にくると、登ったときより気温も上がり、さらに水気を含んで柔らかくなっていました。
うんざりするくらい長く感じますが、この山は、頂上からだいぶ下の方まで視界が開けた場所が多いので、雄大な景色を見ながら歩くことができます。
ほとんどふてくされてきた頃、牧場の端っこに到着。再び本道とははずれて牧場の中を突っ切っていきます。この中は、雪も少なく地面も草でフカフカで格段に歩きやすい。牧歌的な風景を眺めながらのんびり下りていきました。
いくつか柵を乗り越え、最後の有刺鉄線を跨ぐと再び本道と合流。ここからは森の中を歩いていきます。
15時、ホテルに到着。今日も帰らず、登山口の宿にもう一泊できると思うと本当に気が楽です。
ホテルの庭に荷物を下ろし、自販機でビールなどを買って浅間山を見ながら乾杯。
あ~~~うまいっ!
日差しも強くのどがカラカラだったので、キンキンに冷えた炭酸がたまりません。この美味しさは、涸沢カールを登りきったあとにヒュッテで飲んだビールに相当する。
ほとんど歩き通しの往復7時間の山行でしたが、天気も景色もよくとても満喫できました。
あずまや高原ホテルの夕食2日目
1時間ほどホテルの庭でゆっくりしてから部屋に戻りました。
汗を流しにお風呂へ行くと、露天風呂からは真っ青な空に聳える浅間山の山並がドーンと目の前に。さわやかな風が吹き渡り最高の気分です。
さっぱりした後は、ほどなく夕食。レストランの窓からは暮れ行く山並が一望できます。本当にいい場所にあるホテルだな~
今日のメニューは鴨鍋や胡麻豆腐、蕎麦寿司、鮎飯など。
鴨鍋のスープと鮎の炊き込みご飯がボリューム満点で美味しかったです。
標高1500mで満天の星空の写真撮影
夕食を食べた後、ホテルの庭に出て満天の星空の写真撮影を試みました。三脚は持っていかなかったので、庭にあった手ごろな柱の上にカメラをセットして撮影開始。ホテルからの灯りがちょっと邪魔だったものの、バルブで30秒~60秒くらいでなかなか綺麗に撮影できました。北斗七星もバッチリです。
けっこう長い時間がんばったのですっかり体が冷えてしまい、部屋に戻った後お風呂へゴー。今度は山の代わりに、星空を見上げながらゆっくり温まりました。
3日目:四阿高原~新宿
7時に朝ごはん。今日もいい天気です。
四阿高原の牧場から北アルプスの雄姿
今日のホテル出発は14時なので、それまで自由時間。ホテルの人が「今日は北アルプスが綺麗に見えます」と言っていたので、見えるところまで行ってみることにしました。昨日行った登山道を進み、有刺鉄線をまたいで入った牧場と本道の分岐を今回は本道に沿って進みます。
牧場を右手に見ながらしばらく森の中の道が続き、やがて森が途切れると再び開けた牧場に出ました。右に行くと四阿山への道です。
そしてその牧場の向こう側に、北アルプスの白い峰々が屋根のように連なっているのが見えました。牧場と牧場の間の道を山の方に進んでいくと、さらに大きく良く見え壮観です。
旅の最後に素敵な風景を見ることができました。
森の中の千曲川の源流
北アルプスを眺めた後、ホテルについた初日にも行きましたが、この日は天気がよかったので再度千曲川の源流に行ってみました。牧場を通り抜け、気持ちの良い森の中を歩いていきます。
水音が聞こえ始めるとほどなく到着。綺麗な水がサラサラと山肌から流れ落ちてきます。湧き出ているところから数十メートルは本当に小さな流れなのですが、そこから先は細いながらも立派に「川」と呼べるものになっています。
千曲川は、北志賀高原のよませ温泉に行くときにも通りましたが、大きく立派な川でした。下流の方の姿を知っているので、その源流というこの場所はなんだかとても感慨深いです。
この後、再び森の中を散策しながらホテルへ戻りました。
信州上田から新宿まで3時間15分
ホテルに戻って、最後のお風呂に入ります。露天風呂からは今日も山がよく見える。
のんびり浸かった後、ロビーのソファーで本を読みながら休憩。出発時間は14時ですが、みんながそれより前に集まれば早く出発するということで、結局13時45分にホテルを出られました。
一般道も高速も終始空いていて、新宿には予定の時刻から2時間半も早く到着。ホテルを出発してから家のドアを入るまでちょうど4時間でした。長野だと遠いイメージがありましたが、これくらいの時間で行けるんですね。
今回は、天気にも恵まれ久しぶりの山登りで汗を流し、温泉にもたくさん入れて本当に満足できる旅でした。
四阿山トレッキングプチ情報
あずまや高原ホテルの登山口から登ると、山頂まで山小屋どころか水場もありません。
今回は、500mlの水を1本ずつ持っていきましたが、ギリギリ足りた(というか足らせた)という感じです。
暑い時期に登るときは、日当たりがいい分かなり暑くなると思うので、少し多めに持っていったほうがいいでしょう。
ルートは山頂の少し手前以外ずっと登りです。
今回私達が通った「牧場突っ切りコース」は、一応ホテルの人に了解をとったほうがいいかもしれません。
ただ、牧場を迂回する本来のルートを行っても、歩きやすさを別にすれば距離的にはあまり変わらないような気もします。