ネパール(エベレスト街道トレッキングとカトマンズ市内観光)旅行のお役立ち情報を掲載。実際に現地に行って体験した事実をもとに、旅のポイントや注意点、治安、食事や宿泊施設の状況、持っていくと便利なものなど、独自の感覚と観点で記載しています。基本情報は外務省や旅行会社などのサイトを見ていただければわかると思うので、ここではそれ以外の現地で使える情報をご覧ください。
主な訪問地(()内は標高):バンコク~カトマンズ~ルクラ(2827m)~パグディン(2600m)~モンジョ(2835m)~ナムチェバザール(3440m)~シャンボチェ(3800m)~ホテルエベレストビュー(3880m)~クムジュン(3790m)
旅行期間:2010年11月/利用航空会社:タイ国際航空/[外務省]ネパール基本情報
ネパールの世界遺産サガルマータ国立公園のエベレスト山群を見るためにエベレスト街道をルクラからシャンボチェの丘までトレッキング。最終日はカトマンズの市内観光も楽しんだ。
以下のリンクをクリックすると、その行程が書かれた旅行記をご覧になれます。
今回の一番のハイライトはシャンボチェの丘から眺めるエベレスト山群(クーンブ山群)の絶景。ここからは、クスムカングル(6367m)、タムセルク(6608m)、アマダブラム(6812m)、ピーク38(7587m)、ローツェサル(8386m)、ローツェ(8516m)、エベレスト(8848)、ヌプツェ(7816m)、タウチェ(6542m)、チョラツェ(6440m)、クーンビラ(5761m)と世界の名だたる山が一望できる。
さらに、シェルパ・リゾートホテルから少し行くと、ホテルエベレストビュー方面へ行く本筋と、丘の上に行く道に分かれるところがある。そこを丘方面に登って行くと、360度何も遮るもののないヒマラヤが拝めるのでお勧めだ。反対側にはタルチョがはためくもうひとつの丘があり、そこにはシェルパ族と交流を持っていた南極の第1次越冬隊員の佐伯富男氏の碑が建てられている。目の前には、クーンビラ峰と麓のクムジュン村が見渡せる。
タンボチェは残念ながら時間がなくて行けなかったが、ホテルエベレストビューとクムジュンまでは足が伸ばせるのでぜひ行ってみよう。エベレストビューでは、まさにその名の通りエベレストを目の前に見ながらお茶ができる。私は食べなかったが、オーナーが日本人なので日本食もいただける。
シャンボチェにたどり着くまでのエベレスト街道の景色や村人とのふれあいも楽しめる。世界中のトレッカーが集まる場所なので、街道沿いに点在する村の家や山小屋には花などが飾られ美しい。また、しょっちゅうすれ違うヤクの隊列も迫力だ。(そのうち見飽きるが)
私はシェルパが同行してくれるツアーに参加したので、彼らの案内で歩いていくだけだったが、もちろんシェルパなしで行くこともできる。山小屋もたくさんあるので、よっぽどのハイシーズンでなければ確保できないことはないと思う(部屋が満室の場合、食堂などに寝かせてくれる)。しかし、山小屋の予約はできないそうなので、現地についてから交渉することになるが、その場合シェルパが一緒だとそのシェルパの人脈や力加減でいい部屋が確保できたりする。また、大きな荷物も運んでくれたり、食事の用意もしてくれるので、身軽に登りたい場合はシェルパ付きのツアーに申し込むのが無難。
私が行ったのは11月で、朝晩は冷えるが登り始めると暑くなる。シャツ+長袖シャツ+フリース+ウインドブレーカーくらいで歩き始め、暑くなってきたら一枚ずつ脱いでいこう。タートルネックやババシャツなど、なかなか脱げないものは着ない方がいい。
トレッキング中、もっともやっかいだったのが「ほこり」。エベレスト街道は主要道路のため、たくさんの人やヤクが行きかう。特にヤクが通ると道のパウダー状の細かい砂埃が舞い上がり、視界が遮られるほど。コレに関しては無防備だったので、ナムチェバザールに着くころにはすっかり喉を痛めてしまった。現地では、筒状のほこりよけのマスクが売っているのでトレッキング前に一枚買っておくといい。
ヤクは大きく力も強い。細い山道ですれ違うときは、突き飛ばされて谷底に落ちないように山側に避けよう。また、角に当たるとけっこう痛いので、遭遇したらできるだけ端っこに非難したほうがいい。
トレッキング中は、街道沿いの山小屋に泊まることになる。今回同行してくれたサーダー(シェルパのボス)は、顔が広く頼りになる人で、各所でいい部屋を確保してくれた。トレッキング中はシャワーは浴びれないと思っていたが、シャワーつきの部屋に泊まれた日もあった(無いことや有料が多いので原則体は拭くだけ)。トイレはほとんどが水洗。
部屋は寒いので、寝袋はあったほうがいい。たいてい食堂には暖炉があって、夜には薪をたいてくれる。電気は不安定なので、夜になったらヘッドライトは常に手元に置いておこう。
トレッキング中は、すべて同行のコックさんが作ってくれる。私たちより先回りをして、毎回バラエティーに富んだ料理を用意してくれた。時には日本食やケーキもあり、山歩き中の食事とは思えないほど豪華。どれも美味しく、野菜もたっぷりでバランスもいい。こういう楽しみもあるので、やはりシェルパ同行のツアーをお勧めしたい。
カトマンズでは、日本食レストランでヒマラヤ蕎麦をいただける。天ぷらなどもあるので、ぜひエベレストビールと一緒にご賞味あれ。
水はミネラルウォータを飲もう。街の売店や山小屋などで買うことができる。
エベレスト街道ではまったく危険は感じなかった。ただ、カトマンズの空港には山の中で行方不明になった人の張り紙があったりと、問題がまったくないわけではない。やはり単独行動は、どんな国でも気をつけるべきだろう。
カトマンズでは街角にホームレスやストリートチルドレンもいて、手放しで安全と言える雰囲気でもないが、これも最低限の危機管理(貴重品の管理・人けの無い路地には入らない・現地の危険エリアに近づかない・単独での夜の外出は控えるなど)をしていればほとんど問題ない。観光客で賑わうタメル地区は、夜遅くまでお店も開いていて比較的安全(ただし客引きはしつこい)。
写真撮影の際、人を撮る場合は必ずその人に一言確認しよう。たまに撮影後チップを要求してくることがあるが、最初にそれが必要と言われなければ払う必要はない。
せっかく苦労して辿りつく絶景なので、できれば一眼レフカメラがあるといい。登っている最中は重くて捨てたくなるが、朝焼けや星空なども美しいので、そういうのも撮影したくなる。また、エベレストが見えると言っても、肉眼だと先っちょだけ小さくのぞいているだけなので、望遠レンズがあると便利。私は、18mm~270mmまでカバーしたレンズをひとつだけ持っていった。
歩いてゆっくり登るので、高度順応はしやすい。しかし、今回の最高地点は4000m弱で空気は薄く、やはり高度を上げるとなんらかの症状が出る人が何人かいた。
時間のない人向けにルクラからシャンボチェまで空路で行くこともできるが、これは一気に高度を上げるので高山病になる確立は高い。
高山病は、高地に来てからの最初の行動を気を付けるかどうかで、その後の発症率や症状が大きく変わるそうだ。私も高地には色々行ったが、これは正しいと思う。以下に高山病対策を記載する。
私の場合、1と3を常に心がけていると少し頭が痛くなるだけで済むことが多い。
山小屋は水洗が多く綺麗。途中の休憩所などはアジア式や穴だけのもある。紙がない場合が多いのでトイレットペーパーをロールごと鞄に入れておくといいい。トイレ以外にもいろいろと役立つ。紙は流すと詰まるので、近くのゴミ箱に捨てる。
先の高山病とともに、トレッキング中は山を登っていくのでどうしても呼吸があがり、埃や乾燥で喉を痛めることが多い。埃の中を歩くときはもちろん、夜寝るときもマスクをしてると予防になる。ただ、登りのマスクは、空気が薄いので苦しい。
現地であったら便利なものを必須度順でご紹介。
女性ならではのものもあるので、参考にしてください。
旅行ではなるべく荷物は少ないほうがいいので、いるかいらないか迷ったら、それが現地でも買えるものかどうかで判断するのもひとつの方法。しかし、どうしても必要なものでない限り、結局なくても大丈夫だったということは多い。(反対に、なんでこんなものが・・と思いもよらないものが大活躍したりもする)
思い切って荷物を減らし、身軽に旅立とう。
【必須★★★】
【できれば持っていこう★★】
【必要に応じて★】
天気に恵まれたので、フライトキャンセルもなく期待通りのヒマラヤを見ることができた。世界から観光客が集まる場所なので、道や山小屋もきちんと整備されている。標高が高いので登りは苦しいが、それがあっても行く価値は大いにある。
途中に立ち寄る村も、それぞれの趣があって楽しかった。畑に囲まれた小さな村から、おしゃれなカフェなどもあるナムチェバザールまで、色々な風景を見ながらゴールまで歩くので、ただ山の中を歩くのとは違い退屈しない。山小屋に着くのはまだ日の高いうちなので、村の散策もできる。
このコースで初めてエベレストが見えるのはシャンボチェではなく、実はナムチェ坂の途中の木の間から。行きにここから見えたときは大興奮だったが、慣れとは恐ろしいもので、シャンボチェで散々見た後の帰りは、みんなチラッと見ただけで歓声もあげなかった(笑)。それくらい、上に行ってからはヒマラヤ漬けになる。
シャンボチェでは燃えるような朝焼けや満天の星空も見ることができ、終始大満足の旅だった。
この行程のトレッキングは特別な技術は必要なく、歩くのが好きなら誰でも行けるので、一度はエベレストを見たいという方にはお勧めだ。