主な訪問地:チョン・ケミン渓谷~イシク・クル湖
おとぎの国のような花が咲き乱れるチョンケミン渓谷のフラワーハイキングをし、一路「中央アジアの真珠」と呼ばれるイシク・クル湖へ。国際的な一大リゾート地でシーズン中のこの時期にはたくさんの観光客が訪れていた。チョルポン=アタの港から船を一隻貸切りクルーズへ出発。キルギスを代表する真っ青な湖と南北に連なる天山山脈の景色を見ることができた。
早朝6時前、夜明けと共に朝の散歩に出発。
広い庭をつっきり裏口から出てみると、まるでおとぎ話に出てくるような風景が広がっていました。
山の向こうから差し込む朝日の中に、草を食む馬やヤギ、牛、鶏などが現れ、これでもかというほどの長閑さをかもし出しています。
そして、それらのまわりには、古びた農機具や草原の中に建つ小屋、遠くに連なる雪山などがあり、なんだかその景色全体が映画のセットのようにちょっと非現実的な空間に思え、突然その中に入ってしまったような不思議な感覚でした。
再び宿の庭を横切って反対側にまわり、とりあえず道なりに進んでみることにしました。
少し行くと大きな通りと突き当り視界が開けました。
そこを左へ進むと両側に畑が広がり、道端の花と雪山とが合わさった見事な景色を見ることができます。
その美しさに静かに感動しながらひたすら歩き、結局村はずれの川まで遠征。
そこで時間切れになり、やむなく折り返して宿に戻りました。
2時間以上も歩きましたが、まだまだ歩き足りないくらい楽しい散歩となりました。
たくさん歩いた後は朝食です。
眺めのいいダイニングルームで、まわりの景色を見ながらの朝ごはんは格別。
昨夜の夕食の時に感動したイチゴジャムの他、やはりここで採れたという蜂蜜もとても美味しい。
ミルク粥はちょっと苦手で食べられませんでしたが、その代わりパンが美味しいのでたっぷりいただきました。
朝食後、宿の人の案内で近所の野原にフラワーハイキングに出かけました。
朝行った川の方とは反対方向です。
集落を抜けるとどこまでも続く草原が現れました。
その草原に続くまっすぐな小道を歩いて行くと一面の花畑が出現。
手前には黄色い小さな花の絨毯が拡がり、その向こうにまた別の色の花が咲いています。
そこをすぎると小高い丘になり、その丘の斜面にもたくさんの花が咲いていました。
ここで一旦解散となり、お昼にホテル集合となったのでさらに丘の上に行ってみました。
するとほどなく、色とりどりの花に囲まれた墓地に到着。
墓地というと暗いイメージがありますが、ここにはそんな雰囲気は微塵もない。
自分も最期はこんなところに埋葬されたら幸せだろうなぁ。
墓地を抜け、花の間を掻き分けるようにしてさらに登っていきます。
もうこれ以上に行っても花はないかなというあたりまで行くと、チョンケミン渓谷が一望できる高さまで来ていました。
足元には野草の花が咲き乱れ、その向こうにはパッチワークのような畑と家々、そしてその背後になだらかな山並が連なっています。
花のいい香りも風に運ばれてきて、なんともすがすがしい。
充分その景色を堪能した後、さらに花の密集した場所を通り丘の麓まで下っていきました。
まだ時間があったので、ちょっと遠回りして宿に戻ることにしました。
小さな田舎のせいか、あまり村人が出歩いていませんでしたが、そんな中、出会った人々は一様に親しく笑顔を向けてくれて、写真を撮ってとお願いされることも。
早朝の散歩とともに、チョンケミン渓谷ではとても楽しい時を過ごすことができました。
宿に戻ったあとは、ランチまで少し時間があったので、中庭のブランコで遊んだり東屋で昼寝をしたりして過ごしました。
外の日差しは強烈ですが、東屋の日陰に入ると涼しい風が通り過ぎ気持ちいい。
時間になったのでダイニングルームへ行くと、外側にあるテラス席が用意されていました。
ペットボトルに入ったビールをお裾分けしていただき乾杯。
ランチのメニューは、サラダ、チキンスープ、スパゲティと、昨日ここへ来る途中に買ったスイカとメロンが出ましたが、やっぱり高いやつが一番美味しかったです。
本当に甘くて瑞々しいのでキルギスの夏の果物はおすすめ。
のどかな景色を見ながら美味しい料理をいただき、みんなの旅の話で盛り上がりました。
13時、ゲストハウスを出発。
村を抜け早朝一人で訪れたチョンケミン川の橋のところで写真ストップ。
今日はこれから2時間半ほどかけてイシク・クル湖に向かい、まずはイシク・クルのクルーズの予定です。
途中、奇岩地帯や川の周辺に大小の湖沼が点在する湿地帯を通っていきます。
特に説明はありませんでしたが、この奇岩もなかなかの迫力があり観光地になっているようでした。
ほどなくすると遠くに真っ青な湖が見えてきました。
イシク・クルの入口の町バルイクチに到着です。
=====ガイド=====
今イシク・クル湖へのゲートを入ってきたが、ソ連時代はとても栄えていてイシク・クル州の中心地だった。ソビエトが崩壊してからここは閉鎖されてしまったが、今はロシアや中国までの道を通ることができる。
イシク・クル湖は標高1606mに位置し中央アジアの真珠と言われている。周りは天山山脈に囲まれていて、北側はクンゲイ・アラトー(キルギス語で太陽のあたる山)、南側をテルスケイ・アラトー(同太陽の当たらない山)という。
イシク・クル湖の一番深い水深は668m、平均でも280m、面積は6236平方キロメートルで琵琶湖の9.3倍、周囲は688km(長さ182km、幅60km)、透明度は20m以上。
イシク・クルには天山山脈から流れ込んでくる川が100以上あるが、そこから流れ出る川はひとつもない。
山に囲まれているので冬でもそんなに寒くなく気温は-5~-6度、夏は30度前後。
水温は夏は20度前後で泳ぐと気持ちいい。イシク・クルはイシク(熱い)、クル(湖)という意味で冬でも凍らないことからこの名がついた。
イシク・クルは国際的な観光地で、経済的にも大きな役割を果たしている。
今では観光客も増えてきて、1シーズンに100万人以上が訪れる。その多くがカザフスタンやロシアからで、最近は欧米からも増えている。
この辺りの住民は、夏のシーズン中は家の空き部屋を貸したりしている。素泊まりで一部屋500~1500ソムくらいで短期でも長期でも構わない。
ソビエト時代は外国人は許可がないとこのエリアに入ることができなかった。さきほど通ったゲートがその入口。
独立してから解放されてたくさんの外国人観光客も自由に入ることができるようになった。
このツアーでは、湖をほとんど一周する。
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また、どこまで本当かわからないが・・ということですが、中国が、イシク・クルから出てくる遺跡を全部中国に渡すことを条件に、この湖を横断する橋を援助するという話をキルギス側にしたところ、キルギスに断られたという話があるそうです。
しばらく右手に湖を見ながら進むとクルーズの出発地チョルポン=アタの港に到着。
ここからクルーズ船一隻を貸し切って、中央アジアの真珠とも言われるイシク・クル湖の船旅です。
入り江を抜け、湖岸で遊ぶ観光客などを眺めながらどんどん奥へと進んでいきます。
どこまでも広がる青い湖は、琵琶湖の9倍以上の大きさということもあり湖というよりはもはや海。
前方(南側)にはテルスケイ・アラトー、後方(北側)にはクンゲイ・アラトーの天山山脈が連なっています。
しばらく船の上をいったりきたりしながら写真や動画を撮ったりしていましたが、、途中島などもなく同じような風景がずっと続くので、1時間ほどの行程の終わりの方は若干退屈してしまいました。
このときはとても暖かく上着などはいりませんでしたが、風が強いので心配な人は何か羽織るものを持っていったほうがいいかも。
ちなみに、私たちが乗った船には毛布などが用意されていました。
クルーズを終えホテルへ向かいます。
直行すれば30~40分ほどとのこと。
途中、道端に出ているお土産屋さんに寄り道。
蜂蜜や果物の他に、魚の干物や毛皮などちょっと変わったものが売っていました。
その後さらに果物屋さんでスイカとメロンを購入。
=====ガイド=====
スイカ228ソム、メロンが343ソルで昨日買ったものとほぼ同じ。でも今回は量り売りでこんな端数まで払ったが、ガイドさんが値切らないのかなと思ったが、そういうことをするのはキルギスでは男の役目とのこと。
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そこからほどなく今日のホテル「Royal Beach Hotel(ロイヤル ビーチ ホテル)」に到着。
駐車場から綺麗に手入れされた花が咲く庭を進んでいきます。
ホテルの建物はその一番奥にありました。
チェックインを済ませ部屋に向かいますが、今はシーズン中で満室ということもあり、眺めがイマイチの部屋。
イシククルのビーチまではすぐの好立地ですが、それ以外は特にこれといって特徴はありませんでした。
部屋で少し休んでから、別の建物にあるホテルのレストランで夕食です。
混んでいるせいか、団体のせいか、狭いテーブルにきゅうきゅうに座らされ食事開始。
今夜のメニューは、サラダ二種、レンズ豆のスープ、スパゲティ、パン、果物など。ブラックチェリーはさっき寄った露店でエリさんが購入したものです。
料理はなかなか美味しくてボリュームもあり満足でしたが、置く隙間もないのにどんどん新たな料理を運んでくるし、ビールはぬるいし、全体的に今回の旅行の中ではイマイチでした。
夕食後、何人かのメンバーと湖まで散歩に出かけました。
あたりは夕焼け色に染まり、たくさんの観光客が思い思いに夕涼みをしています。
湖畔に着くと、一緒に行った男性がおもむろに服を脱ぎ、ずんずん湖に入っていきました。
どうやら最初から「中央アジアの真珠」でひと泳ぎするつもりだったらしい。
ただ、ほんの少し泳いだだけで上がってきたので、インドのガンジス川にちょっとだけでも沈んでみたい的な感じだったのかもしれません。
ひとまわりしてホテルに戻ることにしましたが、その途中、見慣れた物体が目に飛び込んできました。
まさかこんなところでドラえもん(もどき)の日本のスターに出会えるとは思ってもみなかった。
やっぱり彼くらいになると、国境を越えてもちびっこ達に大人気なんですね~。