インド(ラダック)旅行のお役立ち情報を掲載。実際に現地に行って体験した事実をもとに、旅のポイントや注意点、治安、食事や宿泊施設の状況、持っていくと便利なものなど、独自の感覚と観点で記載しています。基本情報は外務省や旅行会社などのサイトを見ていただければわかると思うので、ここではそれ以外の現地で使える情報をご覧ください。
主な訪問地:レー(サンカル・スピトゥク)~上ラダック(シェイ・ティクセ・ストク・マトゥ・スタクナ・ヘミス・チェムレ)~下ラダック(ピヤン・バスゴ・リキル・ラマユル・アルチ・サスポル・ワンラ・マンギュ)
旅行時期:2012年9月/利用航空会社:キャセイパシフィック航空・ジェットエアウェイズ航空・全日空/[外務省]インド基本情報
インド北部に位置するチベット文化圏ラダックのゴンパを高僧のパルダンさんと巡る旅。滞在した町は、レーとアルチだけだったが、有名な僧院や城が集まっていることもあり、ラダックとチベット仏教についてかなり詳しく学ぶことができた。
以下のリンクをクリックすると、その行程が書かれた旅行記をご覧になれます。
各ゴンパ(僧院)の見事な壁画や仏像は圧巻。チベット仏教(パルダンさん曰く「チベット仏教というのはなく仏教は仏教だ」)独自の壁いっぱいの絵にはすべて意味があり、その説明を聞きながら見ると非常に興味深い。 ぜひ詳しいガイドさんに案内してもらい、どっぷりとその世界に浸ってほしい。
また、月世界といわれるラマユルの景観は、絶景部門でこの旅一番のお気に入りになった。その壮大な景色の中に建つラマユル僧院は、まわりの景色と溶け込んで荘厳としている。そして、その僧院よりもっと山の方まで登って行くと谷の全景を眺めることができる。
ツアーで行けば有名どころのゴンパや城はほとんど網羅すると思うが、その中から外れそうで一見の価値ある場所は、サスポール村にあるニダプク・ゴンパとオールド・ピヤンにあるグル・ラカン。ニダプク・ゴンパは山の中腹のにある崩れかけた石窟のお堂で、岩の壁一面に描かれた壁画を見ることができる。細い山道を登っていく上、天井から岩が落ちてきていたりするので、大人数で訪れるのは難しいとのこと。グル・ラカンは、壁画の保存状態が極めて良く見事な絵が見られる。
また、バスゴのラブタン・ラチェにあるチャムチュン・ラカンは、他のお堂が見られてもここだけ入れない場合もあるらしいが、ぜひ開けてもらって入ってみよう。かなり小さなお堂だが、素晴らしい壁画を見ることができる。
今回は同行してくれた山名さんのお陰で、レーではとてもいい部屋(ラダック基準で)に泊まることができた。バスタブはないものの、大きなベッドに広い部屋、そして窓からの眺めが素晴らしい。初日から泊まったホテルはブラピも宿泊したらしくロビーに写真が飾ってある。最終日に宿泊したホテルは、ラダックでも1、2を競う高級ホテルだった。
郊外に行くとそれなりのレベルになるが、食事が美味しく泊まるのにはなんの問題もない。スタッフもフレンドリーで心地よく過ごせる。
チベット文化圏とはいえインドなので、カレーやナンがとても美味しい。特にアルチのホテルで食べたカレーは絶品。レーには中華料理や欧風料理もあり外国人観光客で賑わっていた。
チベット難民居住区のチョグラムサルでは、地元のレストランでトゥクパ(うどん)を食べたが、カレー風味で柔らかいラム肉がとっても美味しかった。
全体的に癖もなく、辛すぎるということもない(料理によると思うが)ので日本人でも美味しく食べられるだろう。
水道水は飲めないのでミネラルウォーターを買おう。ミルクたっぷりのチャイは美味しくて行く先々で飲んでいた。
1975年まで外国人の入域ができなかったエリアだが、町中を歩いていても警備が厳しいとかそういった雰囲気はない。レーのメイン通りは、雑然とした感じや牛が闊歩しているところなどネパールのカトマンズを思い起こさせる。
ただ、パキスタンや中国との国境に位置しているので、特に郊外に行くと結構な数の軍事施設やキャンプがあり、そういうところは少し物々しい。道でインド軍の車列に出くわすこともしばしばで、そうなると足止めをくうこともある。
また、インドとチベットが混在している場所なので、ゴンパの前にモスクがあったりとたまに宗教間のいざこざがあるらしい。
中国に支配されたチベットではないので、いたるところに「フリーチベット」のポスターが張ってあったり、雑貨が売られていたり、チベット本土ではありえないアピールがされている。観光客も欧米人が多く、その中に日本人と韓国人が混ざっている感じ。さすがに中国人には会わなかった。
写真撮影の際、人を撮る場合は必ずその人に一言確認しよう。
ゴンパ巡りのメインのひとつでもあるアルチ・チョスコルなど一部の僧院や施設は撮影禁止なので、事前に確認しルールは守ろう。パルダンさんがかつていたスピトゥク・ゴンパは空港の脇の高台にあり、軍事施設が丸見えなので、そちらの方にカメラを向けて写真を撮ってはいけない。ラダックは国境エリアなので、いたるところに軍事施設がある。その周辺の撮影には特に気をつけよう。
ガイドブックにOKと書かれていてもその場でダメになることもあるので注意。
デリーからレー(標高3500m)までは一気に高度を上げるので、高山病になりやすい。空港に下りたとき少しフラフラした。
重症度の差はあれど、なんらかの症状が出る可能性は高いので現地での行動に気をつけよう。
高山病は、高地に来てからの最初の行動を気を付けるかどうかで、その後の発症率や症状が大きく変わるそうだ。私も高地には色々行ったが、これは正しいと思う。以下に高山病対策を記載する。
私の場合、1と3を常に心がけていると少し頭が痛くなるだけで済むことが多い。
また、レーについてからは数日滞在して体を慣らしてから次の行程に進もう。短い日程だと高度順応ができずに、結局移動先で動けなくなってしまかもしれない。急がば回れだ。
ちなみに、山名さん曰く「頭痛がするしないにかかわらず「キャベジン」を夜寝る前に飲んでおくと、頭が痛くならない」とのこと。もちろん個人差はあると思うが、試してみるといいかも。
スニーカーくらいので構わないが、ゴンパに入るときは靴を脱ぐので、脱ぎやすいものがラク。
ホテルなどは水洗だが、移動中には穴だけ開いているところもあり。紙は流すと詰まるので、近くのゴミ箱に捨てる。紙がない場合が多いのでトイレットペーパーをロールごと鞄に入れておくといいい。
先の高山病とともに、最初は時差の影響も出るだろう。私たちの場合、デリーの空港で一夜を明かし、ほぼ徹夜の状態でレーに着いたのが早朝。 眠気と疲れは確かにあったが、高山病の症状も出ず元気だったので、その日の午後から早々に歩き回った。しかし、着いてすぐが大丈夫でも数時間後や翌日に症状が出始める場合も多いので、心配なら初日はホテルでゆっくりするのがいいと思う。
自分でできうる限りの対策をしても体調を崩すこともあるので、そうなったら無理せず寝ていよう。高山病は悪化すると死ぬこともあるので旅を中止して高度を下げる勇気も必要だ。
現地であったら便利なものを必須度順でご紹介。
女性ならではのものもあるので、参考にしてください。
旅行ではなるべく荷物は少ないほうがいいので、いるかいらないか迷ったら、それが現地でも買えるものかどうかで判断するのもひとつの方法。しかし、どうしても必要なものでない限り、結局なくても大丈夫だったということは多い。(反対に、なんでこんなものが・・と思いもよらないものが大活躍したりもする)
思い切って荷物を減らし、身軽に旅立とう。
【必須★★★】
【できれば持っていこう★★】
【必要に応じて★】
滞在はレーとアルチだけでしたが、ラダックの高僧パルダンさんと今回のツアーを企画・同行してくれたGNHの山名さんのおかげで、あまり訪れることのない小さなゴンパまで案内してもらい、本当に中身の濃い旅になりました。
お客さんが私と友人のふたりだけだったということもあり、小さなゴンパでもゆっくり見学でき、パルダンさんのガイドもしっかり聞くことができました。おかげでこのような旅行記が書けたと思います。
ラダックの観光シーズンは6月から9月の短い間ですが、その間にはたくさんの観光客(特に欧州)が訪れるそうです。私たちが訪れた9月下旬はシーズンも終わりのころで、静かなラダックを満喫することができました。
お祭りを見たいとかの目的がなければ、ちょっとハイシーズンをずらして訪れた方がいいかもしれません。
ラダックはインド北部のチベット文化圏で「チベット本土よりもチベットらしい」と言われる場所ですが、街中を牛が歩いていたり、カレーが美味しかったりとインドらしい部分もあります。
チベット本土のように寺院などが中国によって破壊されなかったため、重要な寺院や壁画、仏像などが残っており、チベット文化圏が好きな方にはたまらない場所だと思います。
さらに、荒涼としたラダックらしい大地や、ムーンランド(月世界)と言われる絶景も見ることができるので、文化、美術、自然といろいろなことに感動できるでしょう。
日本からの直行便がなく乗り継ぎが結構大変だったり、高山病の心配もありますが、一度は訪れてみる価値のある場所としておすすめできます。
ぜひ、ラダックの真っ青な空と乾いた高地の空気を感じてきてください。