主な訪問地:エデレミット(エーゲ海)~エフェス(エフェソス)~パムッカレ
世界最大級の古代都市遺跡エフェス(エフェソス)や世界七不思議のアルテミス神殿、真っ白な石灰棚が広がるパムッカレなど、見ごたえのある遺跡と絶景を巡った。
早朝6時。
まだ暗い中、ホテルのレストランで朝食です。
朝早いにも係わらず、ちゃんとした料理を用意してくれました。
7時出発。
昨日の夜中、すごい雷雨だったので天気が心配でしたが、今はなんとか雨は上がっています。
今日も屋外の遺跡の観光がメインだし、何より写真を撮るにはやはり晴れていたほうがいいので天気は重要。
トルコはこの時期から雨が多くなるらしいので、なんとかもってほしいです。
今日は、古代都市遺跡エフェス(エフェソス)を観光し、世界遺産の石灰棚とヒエラポリスがあるパムッカレまで向かいます。
まずは添乗員さんから今日一日の予定の説明。
=====ガイド=====
今日は、エデレミットを出発し、エーゲ海を右に見ながらしばらく進んでいく。
途中で内陸に少し入り、ベルガマという町のそばを通っていく。
この町には、アクロポリスという丘に遺跡があり、金の産地。
ベルガマを過ぎるとイズミール。
イズミールは美人で有名で、イズミール美人という言葉がある。
トルコは美容整形も流行っているらしい。数年前の統計によると、世界の美容整形率が17位で、男性だけに限ると7位にランクアップする。鼻や耳の形を治すことが多い。
イズミールの少し下にセルジュクがあるが、これはセルジュクトルコのセルジュク。
午前中はそのあたりまで行くが、そこにエフェソス(エフェス)遺跡がある。
大理石がたくさん使われている豪華な遺跡。
エフェス遺跡は片道通行で同じところは通らない。
もうひとつ、アルテミス神殿という遺跡がある。柱が一本残るだけの神殿だが、世界七不思議に数えられている。
このあたりにはコウノトリがたくさん生息している。
その町の近くでランチ。
今日のメニューはチョップシシという焼き鳥のようなもの。
ランチの後はパムッカレに移動。
途中で休憩をとりながら行くが、このあたりはたくさんのフルーツを作っているので、休憩所でいちじくや杏のドライフルーツを買うことができる。
トルコのいちじくは日本でも売っていて「セミルナ産」と書いてある。セミルナとはイズミールのあたりの昔の名前。
お酒好きな人は、そのいちじくをスライスして薄く切ったバターを挟んだり、ブルーチーズと合わせると赤ワインにあう。
またそこではドライフルーツよりもロクムが有名。
ロクムはゆべしのような柔らかいお菓子で、いろいろな味のがある。ピスタチオが入っているのがオーソドックスで一番美味しい。
トルココーヒーを頼むとひとつつけてくれたりする。
トルココーヒーは、すごく細かくコーヒー豆をすり、それと水を一緒に鍋に入れて沸騰させる。
煮立ったらデミタスカップに入れるが、すぐに飲むとジャリジャリするので粉が沈むまで少し待ち上だけ飲む。
最後にドロドロが残るが、胃の調子が悪い時に飲むといいと言われている。
さらにそれを使ってコーヒー占いなども行われている。
パムッカレには17時くらいに着く予定。
そこで、ヒエラポリスという遺跡を歩きながら温泉が湧く石灰棚へ向かう。石灰棚には裸足で入れて足湯もできる。
今日泊まるホテルには温泉のプールがある。
今日のホテルもデラックスだが、イスタンブールやエデレミットのデラックスとは結構差がある。
それでもパムッカレの中では一番いいホテル。
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続いてハヤティーさん。
=====ガイド=====
パムッカレは温泉が湧いている町で、あちこちに地熱の湯気が上がっている。
これから1時間半くらい走って、アリアーというところで最初のトイレ休憩。ここでは石油が採れる。
そのあと1時間40分くらいのトルバルでまた休憩。そして40分くらいでエフェスに到着。
そこで、紀元前3世紀のアルテミス神殿のあったところでフォトストップ。
現在では一本の柱だけ残っているが、その上にコウノトリの巣がある。
神殿というのは、日本で言うと、出雲大社や伊勢神宮のような多神教の場所。
写真を撮った後、世界最大級の古代都市遺跡に行く。ポンペイより何倍も大きい。
上のマルディ二シア門から入って下のピヨンという出口から出る。
だいたい1時間半くらいの見学。
見学後、バスで15分くらいのシリンジェという村でランチ。
エーゲ海の家庭料理。
食事の後、1時間半くらい移動してロクムで有名なナジリで休憩。
ロクムはピスタチオとヘーゼルナッツが人気で、未開封なら半年、開封後は2週間もつ。
そのあとまた1時間半走って、スムーズに行けば17時15分くらいにパムッカレ。
ヒエラポリスの遺跡を見ながら石灰棚に行く。
ここは裸足で歩くがとても滑りやすいので、写真を撮るときは立ち止まって撮ってからまた歩くように。
滑って転ぶとコロコロ下まで転がって大変なことになる。
今までにも転んで頭を打った人が何人もいる。
これまでの20年間の経験で言っているので、十分に気を付けてほしい。
見学後ホテルに向かい、19時半くらいに着くと思う。
今日は全部で520km移動するが、明日はもっと長い。だいたい東京から岡山くらい。だが長い移動は明日まで。
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アリアーの休憩所では、チャイを飲んで一息。
添乗員さんが、トルコの定番おやつスィミットというドーナツをひとつ買って味見させてくれました。
素朴な味でゴマが香ばしい。
またしばらく移動です。
海外旅行のツアーでおなじみの移動時間を利用した現地語講座。
トルコでも開講されたので、聞いた音をカタカナで列記していきたいと思います。
=====ガイド=====
トルコ語はもともとアルタイ系の言葉で、北の方から入ってきた。
ハンガリー語とフィンランド語に似ている。
いくつかの言葉は日本語と一緒。
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なるほど、面白い。
昔日本が統治していた国では日本語の名残が残った言葉が今でも使われていたりしますが、トルコの場合はどうなのでしょう。
何かしらのつながりがあるのなら興味深いです。
続いてその他の言葉ですが、長いのが結構あるので少し難しい。
=====ガイド=====
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トルコでよく使ったのが、やはり挨拶のメルハバ。
ギュナイドゥンやティシュクレも覚えたそばから使っていきました。
英語もほとんどのところで使えますが、やはり現地語の方がウケがいいのはどこの国も同じです。
ちなみにトルコ語に「お疲れ様でした」という意味の言葉はないらしい。
トルコ語講座のあとは、世界遺産と地理について。
=====ガイド=====
今までトラキアという地方を走っていた。
イスタンブールからチャナッカレ海峡までトラキア。
トルコの国は全体で20か所に分かれている。
海峡を渡るとトロイがあるミーシャ、南に行くとエオリア、イオニア(イズミールやエフェソス)、カーリア、リーキヤ、フリーキヤ、パンフィニア、ピキニア、黒海の沿岸の方にいくと西海岸がパファゴニア、ガラティア、カッパドキア、キリキア、メソポタミア(「ふたつの川の間」という意味。この川とはチグリスとユーフラテス)、ポントスなど。
昨日行ったトロイ遺跡やイスタンブールの旧市街などは世界遺産だったが、これから行くエフェソスは、遺跡として世界一にはなっているが周りがちょっと汚いという理由で世界遺産ではなかった。
しかし、来年2014年の3月に世界遺産に登録されることになった。
ユネスコは1972年11月16日にパリで発足した。
世界遺産は全部で981ある。
そのうち文化遺産が659、自然遺産が193、複合遺産が29。
複合遺産はトルコには1つあり、これから行くパムッカレがそれにあたる。パムッカレは石灰棚の上に紀元前4世紀のヒエラポリスの遺跡があり、自然遺産と文化遺産が一緒になっている。
世界遺産の配分は、アフリカ大陸9%、アラブ8%、アジア23%、欧米48%、南米13%で、世界で一番多い国はイタリア。イタリアには49か所ある。続いて中国45、スペイン44、フランス・ドイツ38、メキシコ32、インド30、イギリス28、ロシア25、アメリカ21、ブラジル・オーストラリア19、カナダ・ギリシャ・日本17、トルコ14(来年19になる)、他にイラン16、ペルー・スイス11、韓国10、モロッコ・オランダ9、エジプト・ノルウェー・イスラエル7、ケニア6、デンマーク4、ニュージーランド3など。
世界遺産の看板を作ったのはベルギーの芸術家ミシェル・オリフ。1978年に作った。
意味は、円形が世界中の自然界を、中の四角は人間の想像力を表している。
ユネスコは今まで34回の会議をしていて、日本でも1998年12月5日に京都でやった。
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ほどなく世界七不思議に数えられているアルテミス神殿に到着。
世界七不思議とは、古代ギリシャ・ローマ時代の建造物で、注目するに値するものという意味。
そして、その七つのものとは以下の通りです。
アルテミス神殿は現在、柱が一本残っているだけですが、七つのうち完全に残っているのはピラミッドくらいで、あとはほとんどが崩壊しているそうです。
草木が生い茂る道を抜けると開けた空き地があり、そこでバスを降ります。
するとすぐ目の前にアルテミス神殿跡が見えました。確かにポツンと柱が建っているだけの寂しい遺跡。
その柱の上には、このあたりにたくさん生息しているというコウノトリの巣がありました。
ここは遠くから眺めて写真を撮るだけなので10分ほどの滞在。
次はいよいよ世界最大級の古代都市遺跡に向かいます。
アルテミス神殿から10分ほどでエフェス遺跡に到着。
入り口の前でバスを降りるとすごい人。ハヤティーさんによれば、どうやらクルーズ船の観光客が来ているとのこと。
そうなるとバスを何十台も連ねて数千人規模の人たちがやってくるので大変混みあうそうです。
思うように進めないゲートの混雑を抜け中に入ると、かなり広い敷地が広がっていました。
天気も良くなり日差しが照りつけるので、日陰があまりない遺跡はとても暑い。日よけグッズと水は必須です。
私たちが入ったのは北の門。
ここから遺跡を通り抜け南の門まで行きますが、逆ルートだと上り坂になるのでちょっときついと思います。
さっそくハヤティーさんのガイドで遺跡を周っていきますが、もはや録音は無理な状況。
この遺跡は有名なのでガイドブックにもたくさん載っているし、ここでは詳しい解説は省きます。
今まで見てきた都市遺跡の中では群を抜いて見事。
規模もそうですが、石畳の道や柱、劇場、図書館などなど、原型をとどめたものが多く当時の様子をリアルに思い描くことができます。
特に図書館と劇場は素晴らしく、これは来年、世界遺産に登録されるのも頷けます。
それでは入り口からの様子を順を追って見て行きましょう。
まずはヴァリウスの浴場跡からオデオン。
クレデス通りをニケのレリーフやヘラクレスの門を見ながら通っていきます。
右手にトラヤヌスの泉やハドリアヌスの神殿があります。ハドリアヌス神殿には、女神のティケやメドゥーサのレリーフが彫られています。
また通りには修復中の場所もあり、遺跡の中には猫の姿もたくさん見られました。
そして古代のトイレを通り、見事なケルスス図書館へ。
図書館の前には娼館があるのですが、昔は図書館に行った帰りなどに寄ったりしていたそう。
そしてマーブル通りを行くと、足の形をした娼館の広告があり、この足より小さい人は入れなかったらしいです。
最後に一番メインの大劇場。今でも有名なアーティストのコンサートなどが行われいます。
劇場から出ると、港まで続いていたアルカディアン通りに出ます。
ここを通って出口の方へ行く道に入るところが劇場全体が見える写真スポット。
しばらく木陰の道を進んでいくと出口になり、お土産屋さんが立ち並ぶ通りの先に駐車場があります。
駐車場にはおびただしいほどの大型バスが並んでいました。
これが世界遺産に登録されたらどうなっちゃうんだろう。
約一時間半、かなり素晴らしく見ごたえのある古代都市遺跡の散策でした。
遺跡観光の後は、近くのシリンジェという村にある「HANIMELI(ハヌメリ)」レストランでエーゲ海の家庭料理のランチです。
街中を通り抜け山道を進んでいくと、なんでこんなところに?という場所にひっそりとありました。
しかし、団体の観光客が他にもたくさんいて、どうやら有名なお店のよう。
大きなテーブルにたくさんの大皿料理が並び、好きなのを好きなだけ取っていきます。
全部は乗せきれないし、なかなか美しく並べられませんでしたが、とっても美味しい。
名物のチョップシシという肉の串焼きは焼き立てを持ってきてくれました。
たくさんの種類がちょっとずつ食べられ、野菜が多いのもポイント高いです。
食事の後は、休憩をはさみながら今日の宿泊地パムッカレまで長距離移動。
お腹もいっぱいになったしよく眠れそうです。
1時間半ほど走るとトルコのお菓子ロクムで有名なナジリに到着。
ロクムを始めとする色々なお土産がずらりと並んでいました。
ここは、この場所を通る世界中のツアーが必ず立ち寄る場所ということで、世界各国からたくさんの観光客が来ています。
トルコを旅行していて思ったのが、とにかく団体旅行の数が多いこと。
今回の行程が有名な観光地ばかり周るコースなので当然なのかもしれませんが、つくづくトルコは人気の観光地なんだなと思いました。
パムッカレに近づくにつれ雲行きが怪しくなり、到着目前、どしゃぶりの雨になってしまいました。
パムッカレの石灰棚と隣接するヒエラポリスの遺跡は、バリバリの屋外観光なのでこの雨の中ではかなり辛い。
テンションが地にめり込む中、それでもトルコ旅行のメインのひとつでもある場所なので、一眼レフも準備。
しかし、駐車場について入り口を入ると、やがて小降りになり雲の間から陽が差し始めました。
そして、ヒエラポリスを通り過ぎ石灰棚に着くころにはすっかり上がり、高台からはパムッカレの大地に差し込む幾筋もの天使のはしごや虹が出現。
ため息が出るほど幻想的な風景です。
みんなで夕日にキラキラ輝く石灰棚や遺跡を見ながらしばらく歩き一旦解散。
ここでは裸足になって温泉が流れる石灰棚に入ることができますが、それは後回しにして、太陽が出ている間に写真を撮りに行くことにしました。
ずっと木道が渡されているので、靴を履いたまま丘の先端の方まで行くことができます。
そこはまさに絶景の連続。
幾段も重なる真っ白な段々が夕日でほのかにオレンジに染まり、そこを綺麗な温泉の清流がサラサラと流れ落ちていきます。
なんだか子供のころに見た絵本とかテレビとかに出てくる空想上の世界のよう。
しばらくため息まじりの歓声を上げながらシャッターを切っていました。
時間もなくなってきたのでさきほど解散した場所に戻り、最後に石灰棚に入ってみることにしました。
裸足になり裾を捲り上げて下り立つと、ほんわかとあたたかい。
下の方にその温泉がたまった小さな池がいくつかあるのでそこまで行ってみることにしましたが、ハヤティーさんが言っていた通りかなり滑ります。
なんとか池にたどりつき中に入ると、ひざ下くらいまでの深さがありさらに滑る。
カメラも持っているし、コケたら洒落にならないので早々にあがることにしましたが、これだけ注意していたにも係わらず、マンガのように滑ってバランスを崩し片足水没。
咄嗟にカメラを片手で持ち上げそっちは死守しましたが、水没した方のズボンはびしょびしょになってしまいました。
トルコにまできて、芸人なみのオチをかましてしまうなんて・・。
しかし、奇跡的な天候の回復で絶景を写真に収められたので、水没したにもかかわらず爽快な気分で石灰棚を後にしました。
集合場所に行くと、まだ少し時間があったのですぐそこにある遺跡が沈むパムッカレ温泉に行ってみました。
透き通る温泉の中に無造作に倒れた柱などがあり、水着着用で入ることができます。
これは気持ちよさそう。
帰り道では広い丘に点在するヒエラポリスを見ながら出口まで歩きます。
遺跡の方はあまりよく見学しなかったのでなんとも言えませんが、エフェスを訪れた後では少々寂しい感じでした。
大満足のパムッカレ観光を終え、今日のホテルに向かいます。
石灰棚からパムッカレの町に下りる頃にはもうあたりは真っ暗。
しばらく町の中を走ると今日のホテル「Spa Hotel Colossae Thermal(スパホテル コロッセア サーマル)」に到着です。
ここのホテルはパムッカレの町で一番いいホテルだということですが、都会のデラックスクラスというわけにはいかず、あくまでも田舎のデラックスだそうです。
多くの団体旅行が利用するのか、今までトルコで宿泊したホテルの中で一番賑わっていました。
その賑やかさは、ホテルというよりはショッピングモールのような雰囲気。
温泉のプールもあるので、それ目当てに来る人も多いのでしょう。
部屋は眺望もなく広さや設備もいたって普通。
夕食の時間になったのでホテルのレストランへ行くと、広いホールに所狭しとテーブルが並べられびっしりとお客さんが座っていました。
とにかくすごい喧噪で、パムッカレに観光に来た世界中の観光客が一堂に会した感じです。
ホールの一角ではライブが行われていましたが、聴いている人いたのかな(というより騒がしくてよく聞こえない)。
料理は隣接の部屋までとりに行かなければならないのですが、この混みようなので移動するのも周りに気を使います。
並んでいる料理もいまひとつで、あまり種類がありませんでした。
ここでは会話もままならなかったので早々に部屋に引き上げ就寝です。